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通商白書(2005) 我が国と東アジアの新次元の経済的繁栄に向けて
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商品詳細
内容紹介 | //付属品~CD-ROM1枚付 |
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販売会社/発売会社 | ぎょうせい/ |
発売年月日 | 2005/07/20 |
JAN | 9784324076750 |
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通商白書(2005)
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商品レビュー
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国が出す報告書などというものは、政府が自分の都合のいいようにデータをねじ曲げた味も素っ気もない官僚的作文にちがいないと思っていたら、平成12年だったか、高齢化をテーマにした厚生労働白書を読んでみたら、けっこう面白かったです。なにより、読者にいまの危機的状況をなんとか理解してもらい...
国が出す報告書などというものは、政府が自分の都合のいいようにデータをねじ曲げた味も素っ気もない官僚的作文にちがいないと思っていたら、平成12年だったか、高齢化をテーマにした厚生労働白書を読んでみたら、けっこう面白かったです。なにより、読者にいまの危機的状況をなんとか理解してもらいたいという熱心な姿勢がうかがえる。見直しました。 白書というのは毎年メインテーマを替え、それに関する論述を集中的に行うというスタイルのようで、厚生労働白書は以来毎年気になっているんですが、まあ大部の堅苦しい本ですから、実際はそうそう読む気にはなれない。 ですが経済産業省で出している通商白書が、東アジアの経済発展と少子高齢化・人口減少局面の日本経済を取り上げていたので、こっちの分野を初めて読んでみました。 この白書の結論は簡単に言うとこういうことです。 少子高齢化・人口減少の日本がこれから生き延びていくためには、今後世界経済を牽引していくアジアの経済発展にうまくのっかっていくしかない。実もフタもない言い方をすると、経済大国なんて威張っていられたのはもう過去の話、発展するアジアの国々とうまくやっていかないと、年寄りだけの貧乏な国になりますよ、ということ。 そうならないための東アジアにおける日本の経済戦略を謳ったのが本書ということになります。 こういうアジア重視の観点は経済産業省だけではなく、国土交通省もそういう観点で考えているらしいですが、これは今の自民党の外交の方向性とはかなりスタンスが違うようでなかなか興味深い。 本書でもなるべく分かりやすく語ろうとしているのはわかりますが、経済の門外漢としては難解な部分があります。しかし、そういうところは飛ばして読んでみても、ここに掲載された膨大なデータやさまざま分析はなかなか面白い。 たとえば、企業が人材育成に投資した費用は、はたして労働生産性の向上につながっているのか、という分析を紹介して、 「人材投資が大きいほど生産性・利益率・市場価値を示す項目の値が高くなっている。すなわち、人材育成を積極的に行っている企業ほど、企業財務パフォーマンスが高く、企業価値が高まる可能性があると言える」(p239) 日本のコンテンツ産業に関連して、 「McGray(2002)によれば、日本は経済面ではもはや大国ではないが、グロス・ナショナル・クール(Gross National Cool:国民総かっこいい度) では世界一の大国である、との指摘がなされている。」(p202) 東アジアの都市部における新しい「中間層」の出現と文化の共通性に関連して、 「東アジア各国・地域の基本的な家庭用の耐久財(洗濯機・冷蔵庫・テレビ等)の保有状況を見ると、…洗濯機と冷蔵庫については、NIEs(韓国、台湾、香港、シンガポール)で9割以上、ASEAN4(タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシア)でも8割近い保有率にとなっている。一方、テレビ(ブラウン管)は、我が国と韓国の保有率が9割以上と突出しているものの、その他の国・地域においては6~8割の保有率となっている。しかしながら、薄型テレビ(液晶・プラズマ)に関しては…我が国と同程度、若しくは我が国を上回る保有水準を示しており、東アジアでは、古い商品を飛び越して新しい商品を購入する傾向があることが推測される。」(p206) その他いろいろ。 アジアといえば貧しい国々という先入観があったんですが、新しい風景が見えてきそうな、なかなか刺激的な本でした。
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