商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 晶文社 |
発売年月日 | 2005/08/27 |
JAN | 9784794966766 |
- 書籍
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ミャンマーという国への旅
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ミャンマーという国への旅
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例えば私たち日本人が海外赴任で5年間、全く文化や環境の異なる国へ行くとしよう。それが自己の思考に徹底的な影響を与え、光よりもむしろ影を心にもたらす様なことが果たしてあるのだろうか? George Orwellがいた1920年代のビルマは、実り豊かな国土と、仏教により高い識字率...
例えば私たち日本人が海外赴任で5年間、全く文化や環境の異なる国へ行くとしよう。それが自己の思考に徹底的な影響を与え、光よりもむしろ影を心にもたらす様なことが果たしてあるのだろうか? George Orwellがいた1920年代のビルマは、実り豊かな国土と、仏教により高い識字率をもつ、物心両面で「豊かな国」であった。しかしオーウェルはビルマでの赴任を突然自らの意志で打ち切り、本国イギリスで作家となり“救いのない結末”の作品を多く世に出すに至る。なぜか? それは「孤独」が大きく影響したのではないか? オーウェルはビルマ赴任を自ら希望したという(通常の英国人ではありえない)。そこには自ら孤独を求め、未知の世界に飛び込もうとする若い矜持もあっただろう。 だがビルマで彼が出会ったのは、自分を囲む目に見えない「壁」だったのではないか?人種の壁、文化の壁、言葉の壁…それらももちろんあった。しかしオーウェルを取り巻き見えない圧力をかけたのは「監視の目」だったと私は考える。 自分は一挙手一投足を見られている。でも自分の方から見ようとすると、相手は逃げ水のように離れていく。誰が見ているかはわからない。でも確実に見られている。双方向の人間的なコミュニケーションがとれず、見られる一方の状況。まさに監獄だろう。 でもよく考えると、残念ながら現代の日本でも、オーウェルを苦しめたような状況を作ろうとする人は多い。見た目や考え方が異なる人を、ヒソヒソ話や噂話で囲い込むような状況。シカトなんか、まさにそうだろう。 でもオーウェルはただでは終わらなかった。自分を孤独に追い込んだ監視の目を、国家が国民を監視する世界=「1984年」にまで広げて発想した。彼は様々な形の“孤独”が描ける作家に成長したのだ。 (2008/3/23)
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ミャンマー旅行に携えて現地で読む。作者はビルマ赴任中のジョージ・オーウェルの跡を探る。2000年に作者がビルマで見たのはオーウェルの小説「一九八四」の世界そのものだった。ビルマの軍事政権は全体主義で人民を支配していた。2015年、私がビルマに来た時は軍事政権が少しは民衆かの扉を開...
ミャンマー旅行に携えて現地で読む。作者はビルマ赴任中のジョージ・オーウェルの跡を探る。2000年に作者がビルマで見たのはオーウェルの小説「一九八四」の世界そのものだった。ビルマの軍事政権は全体主義で人民を支配していた。2015年、私がビルマに来た時は軍事政権が少しは民衆かの扉を開けたばかりだった。ビルマの人は親切で控えめだった。飾ってはいけないはずのアウン・サン・スー・チーの肖像写真も食堂の壁に飾られていた。 民主化の風は吹いているようだった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
私はまず何よりもミャンマーという、日本と関わりがあまりなさそうな謎めいた国、日本とは違う国の人々の価値観や暮らしに興味があったので、タイトルにある「ミャンマー」という文字にのみ惹かれ、この本が「有名作家ジョージ・オーウェルのミャンマーでの足取りを辿ったジャーナリストの本」とも知らずに、かつジョージ・オーウェルという作家の事も全く知らない状態でこの本を読み始めました。 しかし読んでみると、もちろん当時のミャンマー人やミャンマーという国について、その魅力についても沢山語られてるのですが、それよりも私の心に残ったのは、かつてのミャンマーの監視社会の閉塞感、これがひしひし伝わってきまして、そしてそれが日本の現状と何やらかぶるような気がしてきて…強い不安を感じさせられました。自由や権利が制限され、報道や情報も制限され、国民それぞれが相互に監視し合い、国に密告するようになる…北朝鮮という国のこともふと脳裏をよぎりました。ジョージ・オーウェルによる『1984』『動物農場』という作品についても触れられていて、勿論、読書に普段あまり親しんでいない私にはどちらも初見なのですが、この本を読んでいて、これらにもとても興味を惹かれました。なんとなくですが、いま日本が進んでいそうな未来と、この本に描かれていた「ミャンマー」とがかなり重なる気がするので、楽しく読むというよりは、興味深く色々考えさせられました。 政治について真面目に考えるきっかけ、になったのかもしれません。…ともかく、読んで良かったです。
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