商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2005/09/10 |
JAN | 9784061984165 |
- 書籍
- 文庫
小林秀雄対話集
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小林秀雄対話集
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商品レビュー
4.2
7件のお客様レビュー
この対談集の無類の面白さは何と言っても「教祖の文学」で小林に噛みついた坂口安吾との巻頭の対談だ。こんな真っ向勝負の本気の対談をかつて読んだことがない。文字通り口角泡を飛ばして激論する二人の形相が目に浮かぶ。それでいてお互いあっけらかんとしているのが気持ちいい。 冒頭「俺はお前さ...
この対談集の無類の面白さは何と言っても「教祖の文学」で小林に噛みついた坂口安吾との巻頭の対談だ。こんな真っ向勝負の本気の対談をかつて読んだことがない。文字通り口角泡を飛ばして激論する二人の形相が目に浮かぶ。それでいてお互いあっけらかんとしているのが気持ちいい。 冒頭「俺はお前さんの何とか論って云うのを何とも思ってない」という小林の気遣いともとれる発言に対し、「あれくらい小林秀雄を褒めてるものはないんだよ」と安吾が応じているが、これは決して社交辞令ではない。二人の偽らざる気持ちだと思う。 生身の人間を文学のど真ん中に据えた安吾と古典や美術品に沈潜する小林とでは文学観は正反対である。だから議論は噛み合わないのだが、噛み合わないところが実に噛み合っている。二人とも中途半端な妥協に目もくれず、一歩も引かないのは互いに認め合ってるからだろう。 何を認め合っているのか。文学への情熱であり、己が血肉で文学に対峙する姿勢だ。そして二人とも文学自体を信じてはいない。信じているのは文学する心だけだ。だから文学観の違いなど大したことではない。激しくはあるが実に清々しい対決である。他の対談もそうだが、会話には文章では見えにくい人間的な魅力や度量、時に弱さが出るから面白い。小林秀雄という人は特にそうだ。
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地獄の季節 ランボオ作 小林秀雄訳 という、岩波文庫のポケット本を、登録しようと思いましたが、無理でした〜。
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これまでも優れた対談集を読んできた.その中でも素晴らしい対談集に本書は入る.本書に合わせて,これまで読んだ中でいいなと思う対談集は「吉本隆明対談選」「今西錦司の世界(残念ながら絶版)」. 小林秀雄対話集の中で特に秀逸だったのが青山次郎との対話,大岡昇平との対話,三島由紀夫との対...
これまでも優れた対談集を読んできた.その中でも素晴らしい対談集に本書は入る.本書に合わせて,これまで読んだ中でいいなと思う対談集は「吉本隆明対談選」「今西錦司の世界(残念ながら絶版)」. 小林秀雄対話集の中で特に秀逸だったのが青山次郎との対話,大岡昇平との対話,三島由紀夫との対話,江藤淳との対話,田中美知太郎との対話.見てわかる通り,ゲスト自体が超大物.小林秀雄の対談の特徴は対談相手の知的水準,教養が群を抜いて高いこと. 例えば,ごく普通のレベルの(例えば村上龍と誰かの対談)対談をトータルポイント100(村上 vs. 対談相手 : 60vs.40→100)とすると, 吉本隆明の対談集だと 吉本 vs. 対談相手 : 150vs.100→300 といった感じで相乗効果でもって,ぶっちぎった面白さになる. ところが小林秀雄だと 小林 vs. 対談相手 : 150vs.150→300 という形になる.相乗効果というものについてははっきり言ってダメだ.個人が適当に話を合わせながら自分の意見を語ってるだけ.でも,個人の力がオニなだけに,凄まじい対談になっている. 一方で面白いのが今西錦司. 今西 vs. 対談相手 : 200vs.60→260 って感じ.今西錦司という人はともかくすごい.ぶっちぎっている.書き表すことができないほどともかくぶっちぎっている. 小林秀雄対話集,吉本隆明対談選,今西錦司の世界 この3冊はオススメだ.ただしちょっと込み入った難しい話は眠くなっちゃう,という人にはお勧めしないけど.
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