スコットランド 歴史を歩く 岩波新書

高橋哲雄(著者)

• 販売会社／発売会社: 岩波書店/
• 発売年月日: 2004/06/18
• JAN: 9784004308959

商品レビュー

2010/05/28

スコットランドをハイ…

[文庫ＯＦＦ]

スコットランドをハイランドとローランドに分けての比較から、合邦後は、イングランド人とスコットランド人という観点から、身近な話題を盛り込ませながら語られています。有名な人物が実はスコットランド人だったという新たな発見もあり、興味が尽きない一冊です。

2024/09/28

思いがけず夢中で読んだ！

まず、幕末から明治の文明開化の際、日本はスコットランド人に大変お世話になっているようだ。外国人技術者や知識人のうち、半数近くがスコットランド人。トマス・グラバーってスコットランド人だ。このほか、造船技術では、留学先としてスコットランド（グラスゴウ）にお世話になっている。

キルトやタータンチェック柄ってそんなに歴史が古くない！びっくり。18世紀に確立されたものなのね。

人間の営みは、地形とか気象といった動かしがたい大自然によって、かなり決まる。それらが人を育み、時には拒む。だから、人間の気質さえ、これら自然条件と切り離せない。

さらにスコットランドには、宗教革命の際に、芸術NGのカルヴァン派がスコットランドにやってくる。やってくるというか、イングランドから送り込まれる。急先鋒的な、ガチガチに厳しい人がきたので、スコットランドは一層厳粛・勤倹な風潮になる。徹底した合理化。無駄の排除。この運命、国（地方）と気質の成り立ち・・・とても興味深い。

私は、アリステア・マクラウド「冬の犬」や、映画「００７スカイフォール」が好きだが、ハイランド地方の荒涼とした自然に対峙する寡黙な姿勢、質実剛健な感じ、あれが好きなのって、結局、自分が寒い地域かつ中央政権から離れた田舎で生きてきたからなんだなーと、思った。これは、蝦夷（えみし）とスコットランドハイランダーの共通点ではなかろうか。

2014年11月8日読了

2018/05/07

素晴らしく面白かった。恥ずかしながらイギリス史もスコットランド史もまるで知らないできました。もったいないことでした。本書に啓蒙されました。