商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
発売年月日 | 2004/06/25 |
JAN | 9784122043756 |
- 書籍
- 文庫
蕭々館日録
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蕭々館日録
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商品レビュー
4.3
10件のお客様レビュー
菊池寛など、近代文学…
菊池寛など、近代文学の世界を彩った人々が続々と出てきます。この時代に興味のある人にはお勧めの本です。
文庫OFF
- ネタバレ
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十年以上ぶりに再読。 とても匂いの強い小説。もちろん、強く感じるか、好ましいかは好みによる。 物語の構造、登場人物の諳んじる引用や文体模写など、色々な相でオマージュがちりばめられている。 オマージュが重なり、一つの時代の終わりのオマージュになっているように感じた。 物語の中で終わる時代は大正だけど、文章から感じたのは昭和歌謡の雰囲気。 作者が生きた時代にとっての前の時代が大正で、自分にとっての前の時代が昭和だからだろうか。 昭和の良いところを思って感じる空気と、この小説から感じる空気は少し似ている気がする。 もやっとした色気があって、甘いような悲しいような。 もう一つ描かれる時代の終わりが、一人称である女の子が6歳(小児)になることで終わる、5歳までの幼児時代。 「ませている」では済まないめちゃくちゃ成熟した精神と感受性の女の子が自覚する自分の一つの時代の終わり。これも甘いような悲しいような。 各章、物語の舞台となる嘯々館の或る一日の様子が描かれている(終章だけ一日ではない)。 どの日もたいしたことは起こらない。主に、好きなものが近いおじさんたちが人んちに集まり、酒を飲み楽しんでいるだけ。 本当は、楽しんでいるだけに見えて、みんなが一人の人を心配し、それぞれのスタイルで愛を送っている。 愛とかいうと大げさに聞こえるけど、言い換えれば、関係してるということ。 登場人物たちのそれぞれの関係のしかた(愛し方)は様々で、おおらかだったり意地っ張りだったり極端に憧れすぎていたりだけど、そんな色んな人が集まった様子は清々しく、その様子がまた愛おしい。 「眼中の人」(目に入れても痛くないほど愛しい人)という言葉がたびたび出てくる。 嘯々館の主、小島政二郎の実在の作品名でもあり、「眼中の人」である菊池寛や芥川龍之介への思いが書かれているエッセイ。 これも昔読んでずいぶん熱い気持ちになった記憶がある。続けて再読してみようと思う。
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久世流 〝吾輩は猫である〝 的作品。 主人公である幼女麗子から見た視点 実在をモデルした文豪たちをシニカルに、時にコミカルな情景で語られる。 迫りくる不吉な影はある一つの時代と一人の小説家の終わり。怪しく艶っぽく描かれる、おそらく芥川龍之介こと九鬼が兎に角魅力的である。久世光彦氏...
久世流 〝吾輩は猫である〝 的作品。 主人公である幼女麗子から見た視点 実在をモデルした文豪たちをシニカルに、時にコミカルな情景で語られる。 迫りくる不吉な影はある一つの時代と一人の小説家の終わり。怪しく艶っぽく描かれる、おそらく芥川龍之介こと九鬼が兎に角魅力的である。久世光彦氏の長編小説の最高傑作だと思う。
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