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風のアジテーション
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風のアジテーション

橘川幸夫(著者)

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風のアジテーション

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川書店/
発売年月日 2004/08/31
JAN 9784048735506

風のアジテーション

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商品レビュー

3

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2011/07/14
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※このレビューにはネタバレを含みます

橘川幸夫の小説第2弾。 前作「やきそばパンの逆襲」にはがっかりした。 そちらのレビューにも書いたが “作者の操り人形がグーグル以前の世界でウンチクを語る” という内容が、 “グーグル以降”の時代に生きている人間からすると 時代認識のずれ具合がものすごく気になった。 さらに その認識を操り人形がしたり顔で語っているのが 読んでいて辛かった。 あまりに残念だったので、第2作も読んでみることにした。 これは面白い。 '69年東京、若者風俗観光小説という趣だ。 「やきそば~」の発表されたのは2004年。 2011年時点から遠くない時代にあった分 書かれている時代・社会認識のズレが目出つのに対して、 こちらは42年前。遠すぎて違和感を感じることはない。 すでに現代からかけ離れた確定した過去となっているからだろう。 小説の形態をした風俗観光ガイドとして楽しめた。 得意のウンチクも大昔すぎて、違和感を抱くより へーそうなんだ で済むものになっているし、 事実知らなかったことも非常に多く トリビアネタの小説としても読めた。 ただ、あとがきを読んで非常に違和感をもった点がある。 “本を純粋に読むことが出来るのは若い時だと思う。社会に出てからは、いろんな意味で功利的な読者にならざるを得ません” という言葉。 “いろんな意味で”と留保はあるが、 著者は社会人は本を功利的に読んでいると語っているのである。 ビジネス本、マネー本、ハウ・トゥ本が書籍で大きな売り上げを占めていることは事実だが、 小説の読者は作品を功利的に読んでいるのだろうか? 著者には基本的に、読書の喜びみたいなことが念頭にないのか、と残念な気持ちになった。 ただ、このような著者だからこそ 小説は情報を、誰でもわかるように伝える入れ物でしかない として書くことができるのだろう。 といいつつも、著者は オリジナルコンテンツを作ることが重要と語っている。 “この本を読むことによって「あなたも小説を書きたくなる」という呪文を込めたいと思う” と語っている。 時代風俗情報を小説の形にして流し込むのがオリジナルコンテンツ? この発想もがっかりです。 さらにそれって発想自体は'80年に田中康夫が発表した 「なんとなくクリスタル」と同じような気もするのですが。 こちらは語って「はい、おしまい」であるのに、 「なんとなく~」ではインデックスさえ付けていた。 この小説も、申し訳の年表程度のものでなく、もっと徹底したものをつける発想もありだと思うのだが。 物語には“叡智”を物語に封じ込めるものという面もあると思うのですが 功利性を求める著者が書いたこの小説には“物語”はなかった。 「やきそば~」と同じ手法ですね。 これはこれでありかとは思うけど 仕上がりが中途半端なところも含めて 釈然としないものがある。

Posted by ブクログ

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