商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2004/09/25 |
JAN | 9784104702015 |
- 書籍
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脳と仮想
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脳と仮想
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3.7
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脳と仮想 1リットルの脳が作る無限の仮想。 「科学っていうものは、経験というものを、計量できる経験だけに絞ったんです」:小林秀雄、科学至上主義の批判。 細胞に記録されている記憶、胎児の夢。 「私」を中心としてしか空間を認識できない意識の限界。 私が見ている赤色と他者が見ている赤色が同じだということを言い切れない、他者という仮想。 「人間の経験できるもののうち、数量化できないものを表わす「クオリア」という考え方」に基づいていろいろな考察がなされていますが、全て受け売りのつなぎ合わせ。それならそれで、参考書籍一覧くらい付けて欲しかったです。章によっては何を言いたいのかがわからないところもありました。 まあ、エッセイなんだからと流しても良いのですが、脳の仕組みと仮想の関係を期待していたので、残念でした。 あまり一生懸命哲学すると、知恵熱が出そうな竹蔵でした。 竹蔵
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小説を読むのは大好きだ。でも、たまにはまとまった論説を読みたくなる。そんなときのために、100円か200円で売っている論説文を何冊かストックしている。 このようなレベルの本が、こんな値段で読めるとは。素敵な世の中だ。 茂木先生はたぶん天才肌で、書いたり話したりしている間に頭の中...
小説を読むのは大好きだ。でも、たまにはまとまった論説を読みたくなる。そんなときのために、100円か200円で売っている論説文を何冊かストックしている。 このようなレベルの本が、こんな値段で読めるとは。素敵な世の中だ。 茂木先生はたぶん天才肌で、書いたり話したりしている間に頭の中の論理や閃きが先へ先へいくもんだから、僕のような凡才にはなかなか難解な文章に思える時がある。それでも、読んでいるうちに文体に体が馴染んできて、すんなり読めるようになってくるから不思議だ。 グッとくる言い回しや主張に付箋を貼っていたら、30枚以上になってしまい、とてもまとめられないので、あとがきの一部を抜粋。 「現代は、知の王権空位の時代である。社会の部分問題を扱った、ちょっと気の利いた言説はあっても、主観的体験の起源から、宇宙の物理的成り立ちまでを含めて、世界の在り方全体を引き受ける志は痩せ衰えつつある。近代において知の王座についていた科学は、『今、ここ』の因果性に局限化した説明原理は提供するが、私たちの意識の起源も、仮想の世界の存在基盤も説明し得ず、単なるテクノロジーの知と化している。デカルト以来の近代主義は方法論的困難に陥り、今終わりを迎えつつあるのである。」 「志」が痩せていることが問題だ、というのが、文中に引用されていた小林秀雄のアツい講演にリンクしていてグッとくる。 また、上の文章は、デカルトを否定しているのではなく、デカルトから始まった西洋哲学がデカルトより狭い世界を扱って安住していることに疑問を呈している、そこにグッとくるのである。
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愚直という言葉が似合うと思った。ストレートな言葉を好み、歯に衣着せぬ物言いでズバズバと脳のメカニズムについて、そして心が私たちに見せる現実と仮想という現象について切り込んでいく。その言葉は時に哲学や文学や民俗学といった学問に急接近し、ジャンルを縦横無尽に越境する。知的冒険のスリル...
愚直という言葉が似合うと思った。ストレートな言葉を好み、歯に衣着せぬ物言いでズバズバと脳のメカニズムについて、そして心が私たちに見せる現実と仮想という現象について切り込んでいく。その言葉は時に哲学や文学や民俗学といった学問に急接近し、ジャンルを縦横無尽に越境する。知的冒険のスリルが味わえる反面、その語り口が時に粗暴に働きやしないかともヒヤヒヤしてしまうが、彼の勇敢さや進取の精神は見習わないといけないなと思う。そして、果敢に敵を作って満身創痍になるスタイルも(いや、これは見習う必要はないかもしれないかな?)
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