![グノーシス 古代キリスト教の“異端思想](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001274/0012743940LL.jpg)
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2004/10/10 |
JAN | 9784062583138 |
- 書籍
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グノーシス
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グノーシス
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商品レビュー
4
12件のお客様レビュー
グノーシス主義の主要人物についての考察が中心で,初学者がグノーシスを知るために必要な知識を得るのに良い。
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古代地中海世界に誕生し時のキリスト教正統多数派教会とも並び立った「異端思想」、キリスト教グノーシスについて概説した書。同思想が勃興した紀元2世紀という時代に焦点を絞りつつ、代表的な思想家(教師)である(ウァレンティノス派の)プトレマイオス、バシレイデース、マルキオンの教説を取り上げ、彼らの思想を考察する。 本書は、神秘思想の一つであるグノーシス主義の中でも「紀元2世紀のキリスト教グノーシス」を解説したものである。五賢帝治世下にて宗教・哲学の大衆化が進んだ時代、まさにその時代にこそキリスト教グノーシスは盛期を迎え、後にグノーシス主義を代表する著名な教師たちを生み出していた。即ち、擬人(神)化された知恵(ソフィア)の堕落と救済の神話を説くウァレンティノス派のプトレマイオス、「存在しない神」による無からの創造を語るバシレイデ―ス、そして「正典」という概念を初めて教会にもたらしたマルキオンの3人である。 本書は紀元2世紀に活躍した彼らの教説をそれぞれ取り上げることで、キリスト教グノーシスの共時的な解説を試みている。各々の記述は概要と要点がよくまとまっており、まさにキリスト教グノーシスの代表的論者を分かりやすく紹介していると言えるだろう。また共時的なアプローチについても、キリスト教グノーシスが同時代の思想的風土の上で育まれてきたことが明瞭に示されており(例としては、プトレマイオスのソフィア神話とアプレイウス『黄金の驢馬』の比較――「好奇心」による破滅や上位存在からの「啓示」による救済のモチーフ)、その意味でも興味深く感じられた。
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聖書研究の一分野としての解説。どうしてもオカルトの側面で語られてしまうグノーシスについて、本当はどのようなものであるのかを丁寧に解説している。初めて知ったのだが、グノーシスといっても大きく3つの流れがあり、さらにそれぞれが全く異なったものであるという。またそれがグノーシスの研究...
聖書研究の一分野としての解説。どうしてもオカルトの側面で語られてしまうグノーシスについて、本当はどのようなものであるのかを丁寧に解説している。初めて知ったのだが、グノーシスといっても大きく3つの流れがあり、さらにそれぞれが全く異なったものであるという。またそれがグノーシスの研究の難しさにもつながるという。そもそもがグノーシス派側の文献がほとんど残っておらず、残っている文献も批判側(体制側)の批判や批判のために引用されたものである。批判する側は考え方の違いに関係なくグノーシス的であることだけで批判し、それを受けてのグノーシス再評価も体制に対する反発が意識的、無意識的問わず加わることでグノーシス像があいまいなものとなり、あやゆるものをグノーシスに当てはめるという無軌道に陥っている。本書では可能な限り文献をそのまま紐解くことに努め、安易に現象に結び付けるようなことはしていない。そのためワイドショー的なオカルト求める読者にはただただつまらないだろうが、正しくオカルトを研究する者にとっては得るものがあるのではないかと思う。もちろん聖書、キリスト教研究においてもグノーシス派とは何だったのかを知る手掛かりになるのではないかと思う。
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