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もうひとつの、きょうのできごと
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もうひとつの、きょうのできごと

野口里佳(その他), 森山大道(その他), 野村佐紀子(その他), 吉永マサユキ(その他), 柴崎友香(その他)

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もうひとつの、きょうのできごと

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社/
発売年月日 2004/03/19
JAN 9784309016269

もうひとつの、きょうのできごと

¥2,178

商品レビュー

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2004/12/23

再読。 映画ではちよとかわちくんがいちばんいいな。 本ではみんないい。 写真と小説と。やっぱりきょうのできごと(小説の)にはかなわへんわ。ちよとかわちくん(やっぱな!最初見たときから昼ドラの顔やと思ったんやわ!)の写真がぜんぜんあかん。イメージとちやいすぎる。しかもそのおかし...

再読。 映画ではちよとかわちくんがいちばんいいな。 本ではみんないい。 写真と小説と。やっぱりきょうのできごと(小説の)にはかなわへんわ。ちよとかわちくん(やっぱな!最初見たときから昼ドラの顔やと思ったんやわ!)の写真がぜんぜんあかん。イメージとちやいすぎる。しかもそのおかしなかわちくんが男前にみえてしまう、偽りの写真があるし。よかったんは、けいとの赤いアロハシャツを着た男の子のあたり。

Posted by ブクログ

2004/06/26

柴崎友香の「きょうのできごと」が行定勲監督によって映画になった時、出演者のスチール写真が撮影され、その写真を元に柴崎友香が短いお話しを書き下ろした結果生まれたのが、この「もうひとつの、きょうのできごと」だ。この本が生まれる切っ掛けとなった映画「きょうのできごと」は、原作の持ってい...

柴崎友香の「きょうのできごと」が行定勲監督によって映画になった時、出演者のスチール写真が撮影され、その写真を元に柴崎友香が短いお話しを書き下ろした結果生まれたのが、この「もうひとつの、きょうのできごと」だ。この本が生まれる切っ掛けとなった映画「きょうのできごと」は、原作の持っている芯、あるいは原作者の柴崎友香が言葉の向こうに見ていたであろう原風景を見事に捉え、更に行定勲ならでは味を出していることに成功した希有な作品で、観ていて頭の中が芯までくらくらした。キャスティングも申し分なく、原作のイメージとずれているとは思わなかったし、その映画が終わってしまうのが正直とても惜しいという思いに駆られながら最後の方は観ていた記憶がある。その惜しむ気持ちを少し先延ばしにして、かつ原作が持っていながら語られなかった奥行きを見せてくれるのが、この「もうひとつの、きょうのできごと」という作品である。ただの写真集ではない。 もちろん、原作者自らが描き出した、その後の(あるいはその前の?)小さな話たちは「きょうのできごと」という原作から伸びていった枝なのだけれど、この枝は、映画「きょうのできごと」という鉢に植え替えなければ決して伸びることのなかった枝だとも言えるところが面白い。柴崎友香は明らかに、映画の出演者に託された人物像を写真の中から再発見し、新たな物語を添えているのだ。これを単にコラボレーションというような横文字に置き換えてしまうことはできないだろう。 例えば、真紀と中沢の関係。原作の中でも映画の中でも二人の関係はニュートラルな感じを越えないけれど、柴崎友香は「もうひとつの、きょうのできごと」の中で二人の関係をもう少しはっきりと描いて見せる。原作では、けいとと中沢の間に起こってしまいそうな感情の予感も手伝って、二人の関係は不確かなものと思ったけれど、恐らく映画に出演した役者の読み込みによって二人の関係はより確かなものとして描き出されることになったのだろう。 映画「きょうのできごと」には、もうひとつの枝がある。それが映像作品である「きょうのできごとというできごと」という記録だ。映画を撮る過程を映像に残すという単なるメーキングを越え、「きょうのできごとというできごと」には「きょうのできごと」という本から影響を受けたものが考えるであろうテーマ、その時自分の心が一瞬一瞬に感じたことを何も図ることなく残して置きたい、という意図が感じられる。結果として、制作に係わったものが感じたであろう気持ちが溢れている作品となっている。単純に行定勲の映画「きょうのできごと」に関する思いが無から仕上がって形になる過程を捉えている、とも言えるけれども、出演者の成長過程、更には原作者が映画という2次元へ投影される3次元の物語から何かを受け止め直す過程なども描かれており、作品を知るものにとってとても興味深い資料であるとも言える。 それにつけても、この写真集のようなものに収められた柴崎友香の文章は明らかに冴えている。もちろん、この切り取られた一瞬のような時間を書くということで、心に負担が掛かっていないということもあるのだろうけれど、元々柴崎友香はこのような切り取られた瞬間を描写するのに長けているのだと思う。長い作品を書く時に比べ、肩の力が抜け、その日常に潜んでいるもののえぐり出し方に一段と冴えが見られると思うのだ。その勢いを失くさないで欲しいと思う。

Posted by ブクログ

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