商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2004/10/15 |
| JAN | 9784003230824 |
- 書籍
- 文庫
白鯨(訳:八木敏雄)(中)
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白鯨(訳:八木敏雄)(中)
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ハーマン・メルヴィル Herman Melville 生年:1819年 没年:1891年 アメリカの小説家。マンハッタンの商家に生まれる。銀行員、小学校教師などを経て、1841年に捕鯨船アクシュネット号に乗り込み、太平洋でも捕鯨に従事する。翌年にマルケサス諸島で船から逃亡し、タイ...
ハーマン・メルヴィル Herman Melville 生年:1819年 没年:1891年 アメリカの小説家。マンハッタンの商家に生まれる。銀行員、小学校教師などを経て、1841年に捕鯨船アクシュネット号に乗り込み、太平洋でも捕鯨に従事する。翌年にマルケサス諸島で船から逃亡し、タイピー渓谷に滞在。その後も捕鯨船や軍艦を乗り継ぎ、1844年に帰国。続く数年間に、船員時代の体験を元に小説『タイピー』『オムー』などを執筆。1851年には『白鯨』を発表し名声を博す。その後も『イズラエル・ポッター』『書記バートルビー』『ベニト・セレーノ』などを書き継ぐも生活に困り、1866年から20年ほどは税関に勤務する。1891年死去。遺稿『ビリー・バッド』は生誕100年を機に研究者によってまとめられ1924年に初めて刊行された。
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「白」の魔力を教えてしんぜよう。 そう言わんばかりに冒頭の章で「白」が持つ神秘性、潔白性、畏怖性、荘厳性などなど他の色には持ち合わせていない本質的な特別性が語られ、いかに「白鯨」という無限の可能性しか感じない存在の魅力を伝えんがせんとする姿勢は、文学の自由性を象徴しているかのよう...
「白」の魔力を教えてしんぜよう。 そう言わんばかりに冒頭の章で「白」が持つ神秘性、潔白性、畏怖性、荘厳性などなど他の色には持ち合わせていない本質的な特別性が語られ、いかに「白鯨」という無限の可能性しか感じない存在の魅力を伝えんがせんとする姿勢は、文学の自由性を象徴しているかのようだ。普通の作家は白に注目して多角的に捉えて考察し紹介しようとはしない。 この他にも、捕鯨の仕方や捕鯨後の解体のやり方、鯨の器官に関する説明、鯨にまつわる神話の考察などなど、およそ捕鯨を目的とした航海物語の枠組みだけにはおさまらない小説となっている。いや、鯨に関する雑学本と言っても過言でない。 正直、読むのは中々にガッツがいる。翻訳本だし古いし、宗教や地理や歴史に浅いんだもの、「お前はとんだ無知人間だな」とひたすらボディーブローでサンドバッグにされていた。でも読み進めていくうちに慣れの影響か楽しくなってくるドM性も萌芽してくる。そう思わされるのは、間違いなく作家としての修辞や論理展開の緻密な言葉運びなのであろう。 もちろん、そもそもとして鯨に魅力を感じている自分もいるが、それ以上に著者の鯨に対する愛が迸っているのだ。執念といってもいい。あるいは小説というていを保った捕鯨の論文と言ってもいい。すなわち、1800年代の鯨捕りにとってのバイブルなのだ。 あぁ、メルヴィルよ。残すは下巻の一冊となってしまった。ピークオッド号の冒険もあと数日で終わってしまう。
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上巻は出航まで。中巻では未だモビー・ディックに遭遇せず。大半は鯨に関する論文とエピソードで、物語は殆ど進展せず。これは「小説」というよりは「鯨の本」としか言いようがない。 冒頭の主要登場人物の欄には、以下の説明があるが、イシュメールは捕鯨船初乗船の設定なので、鯨について語り続け...
上巻は出航まで。中巻では未だモビー・ディックに遭遇せず。大半は鯨に関する論文とエピソードで、物語は殆ど進展せず。これは「小説」というよりは「鯨の本」としか言いようがない。 冒頭の主要登場人物の欄には、以下の説明があるが、イシュメールは捕鯨船初乗船の設定なので、鯨について語り続ける主体は、メルヴィル自身としか言いようがない。この視点が揺れ動く点からも「小説」っぽくはない。が、そんなことはどうでも良いくらい独特の本。 “イシュメール 物語冒頭に語り手として登場するが、「第一人称の語り手」の分限を遵守するのは第二二章まで。あとはピークオッド号での役割を最小限度に果たしながら、船上の出来事や洋上の冒険を「参加者」の視点から、また「全知全能者」の視点から語る。” 最後の方で、アメリカ捕鯨協会が作成した制度として、次のシンプルな2箇条が登場する。 一、しとめ鯨は、しとめた者に属する。 二、はなれ鯨は、だれにせよ最初にしとめた者に属する。 具体的な判例も出てきて、面白い。 見つけた鯨に船Aが最初に銛を打ち込んだものの、鯨に潜られて、ボートごと沈められたあと、弱った鯨を別の船Bが仕留めた場合、ボートはAに、鯨と刺さったままのAの銛はBに属する、という判決。 コロンブスのアメリカ大陸“発見”もこの原則の変形版として語ってあり、アメリカ人の世界観を象徴しているなあ、と感心した。 マッコウクジラの巨大な頭は、頭蓋骨の上(オデコと鼻の上)に巨大な油タンク(鯨油)が乗っていて、潜水する時には海水で冷やして凝固させ体積を減らし、浮上する時には、血液で温めて融解させ体積を増やす目的のようで、船・潜水艦でいうバラストタンクの役割のようだ。この鯨油の便宜を求めてペリーが来航し、更に昔ワシントンは鯨油の灯りで独立戦争の指示書を書いた、と考えると、鯨油は世界史に大きく影響しているわけで、不思議な気持ちになる。
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