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姦母 フランス書院文庫
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姦母 フランス書院文庫

神子清光(著者)

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姦母 フランス書院文庫

628

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院/
発売年月日 2004/11/10
JAN 9784829613122

姦母

¥628

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2008/10/22

欲望の修羅になる

午前零時から夜明けまで。夏の設定なので時間にして6時間に満たない濃密で哀しく切ない一夜物語。12年振りに果たされた息子と母との再会は凌辱だった。家族不在時に侵入され、ナイフで脅してくる若い男が、3歳の時に無理矢理引き離された実の息子だとはこの時点ではまだ母は知らない。一方、自分を...

午前零時から夜明けまで。夏の設定なので時間にして6時間に満たない濃密で哀しく切ない一夜物語。12年振りに果たされた息子と母との再会は凌辱だった。家族不在時に侵入され、ナイフで脅してくる若い男が、3歳の時に無理矢理引き離された実の息子だとはこの時点ではまだ母は知らない。一方、自分を捨てて出ていったと聞かされている息子は、それでも母はそんな人ではないと信じていたが、偶然見かけた母とその家族の姿で、それまでの美しいイメージが瓦解、母に罰を与えることを決意する。なんでそこまで、という問いには主人公が母を失ってからの暗黒の地獄生活が用意されている。出ていった母を罵る継母と祖母からの主人公へのいじめがあり、それを解決できないダメな父がいる。後半で判明する真相でも、やっぱり家族をまとめられない父が背後に透けて見える。大黒柱がその役目を果たさないことがもたらす哀しい末路が示されている。こうした環境で屈折した考えを持つに至った息子が全編に渡って母を辱めていく。ほぼ全編である。前半は凌辱鬼として、後半は実の息子として。襲う主人公と襲われるヒロインというシンプルな構図だった前半よりも実の母子と判明した後半の方がむしろ息詰まる展開なのは、捨てられたと恨む息子に対して真相を告げようとする母の釈明の機会がなかなか与えられないからである。本当は捨てたのではない、一時も息子のことを忘れたことなど無かったと辱めを受けながら心で叫ぶ母が痛ましい。辱めを受けながら母は被虐性が暴かれていき、それを見て主人公の嗜虐性が増していく悪循環。ボタンを掛け違えた想いが修復できない悲しさ、誤解が誤解を招く哀しさに満ちている。そして母もそれを自分への罰と思い、贖罪の気持ちで受け入れる倒錯の果てに女の悦びを感じ、息子を男として意識する瞬間が訪れる。これもまた息子の誤解だったのだが、母の生活は前夫とも現夫とも幸せに満ち足りたものでは無かったのである。突然の母の変貌に戸惑いながら情交を終えた息子に自分を連れて逃げてと持ちかけ、息子も了承するのだが、直後のバスルームである物を目にして息子は母との夜逃げを思い留まる。それまでの悪魔少年が優しい兄に変わる良いシーンである。全てを知り恩讐を乗り越えながら母との逃避行を断念した息子が、これを最後とばかりに母のお尻を責め立て、その後も情交を続ける圧巻のシーンがクライマックスであろう。愛に溢れたシーンである。その後夜明けとともに、寝たふりをしながらむせび泣く母に別れの言葉も告げず立ち去った息子は何を失い何が残ったのだろうか。

DSK

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