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哲学の冒険 「マトリックス」でデカルトが解る
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社インターナショナル/集英社 |
発売年月日 | 2004/12/20 |
JAN | 9784797671032 |
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哲学の冒険
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哲学の冒険
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商品レビュー
3.6
6件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
哲学について書かれた本なんぞを読んで何の益があるのか、と考える人がいるかもしれない。たしかに金儲けにはあまり役に立つとは思えない。しかしまあ、ものは考えようである。世の中に役に立たないことは多いが、それでもけっこう多くの人が関わっている。他人には理解できなくても、当事者にとっては意味を持つことはあるものだ。 現実の世の中には立場によって様々な利害関係が存在するから、自分自身の行動も思うようにはとれない。自分の人生なのにどうしてと思ったりすることが多いものだ。そんな時、哲学はけっこう役に立つ。この世のしがらみに雁字搦めになって息苦しくなったり、重い気分になったりしている自分を現象学的括弧に入れて、一度突き放してみるのだ。すると、意外に悩んでいたことがすっきり見えてきて、自分の悩みが自分固有のものではなく、普遍的なものに感じられてくる。 自分が自分だと思っているものがそれほど確固としたものではないことが分かればしめたものだ。悩んでいる自分に別れを告げて、新しい自分をリセットすればいい。人が変節をなじろうと構うことはない。古い細胞が垢になって剥離しても見かけが変わらなければ貴方であるのと同じように、記憶が持続している限り貴方は貴方なのだから。 映画で哲学を語るというのは、それほど突飛なアイデアではない。事実映画の中には哲学的命題が溢れている。古今東西の人間の営みで哲学の材料にならないものはないからだ。ではなぜSFなのか。SF映画にはエイリアンとかモンスターとか人間とは異質の「他者」が登場する。著者の言うところによれば「他者を通すことで、自分自身がよりいっそうはっきり見えるようになる」。つまり、我々はモンスターを見ているつもりだが、モンスターに反映されているのが私たち人間の姿なのだ。 『フランケンシュタイン』で実存主義を、『マトリックス』でデカルトをと言われたら、少々哲学をかじったことがあれば、にやりとするだろう。なるほどうまいところに目をつけたものだ。映画を材料に、時にはジョークも交えながら手際よく哲学的主題を語ってゆく、その語り口は大学の哲学概論を思わせるが、もし、これが大学の講義なら、かなりの人気が予想されるだろう。実際、映像という具体的なものをもとにしているだけに、抽象論である哲学が分かりやすく頭に入ってくる。 なかでも、世界で最も哲学的な俳優と著者が呼ぶシュワルツェネッガーと監督のポ-ル・バーホーベンはお気に入りらしく、この二人の映画の引用は他を圧している。『ターミネーター』では心身二元論を語り、『トータル・リコール』、『シックス・デイ』ではアイデンティティ論を語り尽くす。自我とは何か、「私」とは詰まるところ脳なのか、といったよくある疑問を極端な論法で解いてみせる手際はなかなか水際立っている。 『スター・ウォーズ』では、ニーチェの超人論を引きながら、せっかく暗黒面のフォースを自分のものにしながら「昇華」させることのできなかったダース・ベイダーの生き方を批判し、『ブレードランナー』では、死の意味を問う。「なぜ人を殺してはいけないのか」という子どもの問いに、大人が窮したことがあった。それをもとに書かれた哲学者の本も何冊かあったように記憶する。その答えもカントの「定言命法」を用いて至極あっさりと解決されている。 ただ、著者も言っているが、哲学とは「知る」ものではない。ビデオで映画を見直したり、記憶にある映画と比べたりしながら著者の哲学講義を聞くことで、自分の抱えた問題を自分で考え直してみる、つまり「する」ものだ。しかつめらしい講義はご免だという人でも、チップス片手にビールでも飲みながらの哲学ならやってみる気になるかもしれない。そんな哲学初心者にうってつけの一冊である。もちろんSF映画ファンにもお薦め。
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映画をもとに哲学思想を解説するというより、哲学を用いて映画を分析した本。分かりやすいし、中身がなさそうなシュワちゃんの映画にも深い意味を見いだせる。
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「オオカミ」を読んでから、これも読んでみたけどおもしろい!西洋哲学初心者向き。ハリウッド映画を題材に、多少強引ですが、哲学の講義が展開。題材となった映画を見ていないとおもしろみに欠け、見ていたとしても、もう一度見たくなります。歴史上の哲学者たちの注釈にくすっとさせられます。
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