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僕とおばあさんとイリコとイラリオン
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 未知谷/ |
発売年月日 | 2004/03/10 |
JAN | 9784896420951 |
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僕とおばあさんとイリコとイラリオン
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商品レビュー
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「20世紀ジョージア短編集」にも収録されていたノダル・ドゥンバゼが、自分の子供時代の体験を元に書いた小説。 https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4896426436 === 僕は、僕の村が大好きだ。僕とおばあちゃんとおじさん...
「20世紀ジョージア短編集」にも収録されていたノダル・ドゥンバゼが、自分の子供時代の体験を元に書いた小説。 https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4896426436 === 僕は、僕の村が大好きだ。僕とおばあちゃんとおじさんのイリコとイラシオンがいる村なんだから。 ぼくは12歳。学校では問題児。 おばあちゃんは悪口では誰にも負けない。でも同時に僕のことを祈ってくれている。 おじさんたちときたらもうめちゃくちゃ。ワインを盗もうとして樽に捕まっちゃったり、農園の見張りをごまかしたり、ニセ財産でからかったり。 ぼくもおじさんたちと一緒に毎日を楽しんでる。おじさんたちとヴォッカを飲んだり、胡椒入りの煙草を吸ったり、村の集会ですごいことを言っちゃったり、なんかものすごい愛の詩を作ってみたり。 そんな村にも戦争の影がある。ヒトラーはしつこいしニュースはごちゃごちゃだし、村から出兵した人の戦死の知らせが届くこともある。 戦争は4年後に終わった。僕も学校を卒業した。 僕は村を出て大きな町の学校で経済を学ぶことになった。 僕の村。僕の犬のムラダのお墓もあるし、初恋のメリもいる僕の村。 都会も悪くなかった。初めて乗った長距離列車の無賃席ではみんなで乾杯したし、下宿させてくれたマルタおばさんや家主のドメンティさんともまあうまくやってきた。 でもやっぱり故郷のことが忘れられない。卒業してソヴィエト連邦共和国中どこでも通用する経済学士の資格も手に入れた。僕は村に帰る。おばあさん、イリコ、イラリオン、そしてメリ。葡萄が実って犬のお墓があって牛と豚がいる。 僕はここに住んで家族を作る。将来僕の子供たちは国中にいっぱいになるだろう。大好きな僕の村。 === スモールタウン少年成長物。 主人公のズラブは父母と離れて田舎の村でハチャメチャな毎日を謳歌している。まだ少年のスラブも伯父さんの手作りの怪しいタバコを吸ったりヴォッカを飲み干したり、おじさんたちのいたずらも仕掛けられた方は結構命がけで冗談の範囲を超えているようなところも。 これは作者の半自伝的小説だそうだ。この小説では全く触れられないスラブの父母だが、実際の作者ノダル・ドゥンバゼの両親は、反社会活動という無実の罪で投獄され、父はすぐに銃殺されたということ。田舎に預けられたノダル少年は、戦争期の貧困で困窮を極めたという。「私は自由が欲しかった。笑いはそのために選んだ」と語る作者のユーモアセンスは、過酷な少年期を過ごして生きるために必要なものだったのだろう。 この話では最後に村に却ってこのままここで暮らすと言っているけれど、作者自身は都会に出ている。 実際の思い出と、こうでありたかったという幸福な子供時代を入り混じらせたノスタルジックな物語。
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おすすめ資料 第441回 (2018.09.07) ロシアでも有名なジョージアの作家ノダル・ドゥンバゼの代表的作品 ジョージアの田舎を舞台に、主人公ズラブとおばあさん、イリコとイラリオンの2人のおじたち4人の暮らしがユーモアいっぱいに描かれている心温まる小説です。 勉強に疲...
おすすめ資料 第441回 (2018.09.07) ロシアでも有名なジョージアの作家ノダル・ドゥンバゼの代表的作品 ジョージアの田舎を舞台に、主人公ズラブとおばあさん、イリコとイラリオンの2人のおじたち4人の暮らしがユーモアいっぱいに描かれている心温まる小説です。 勉強に疲れたときの息抜きにぴったりの一冊です。 【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】 https://www.lib.city.kobe.jp/opac/opacs/find_detailbook?kobeid=CT%3A7100007107&mode=one_line&pvolid=PV%3A7100021064&type=CtlgBook 【神戸市外国語大学 図書館Facebookページへ】 https://www.facebook.com/lib.kobe.cufs/posts/1867098036673226
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ジョージアのとある田舎町。オリガお婆さんの下で暮らす僕ズラブは、毎日小言を言われながらも、割と楽しくやっている。今日もイリコとイラリオンおじさんのイタズラに付き合ってやるために、犬のムラダと畦道を行くのだった。おばあさんやおじさん達が分けてくれる食べ物が実に美味しそう。手作りのウ...
ジョージアのとある田舎町。オリガお婆さんの下で暮らす僕ズラブは、毎日小言を言われながらも、割と楽しくやっている。今日もイリコとイラリオンおじさんのイタズラに付き合ってやるために、犬のムラダと畦道を行くのだった。おばあさんやおじさん達が分けてくれる食べ物が実に美味しそう。手作りのウォッカや胡桃のジャムにチーズとパン。時は戦時下。それらを用意するために彼らがいかに苦労したかは一切考えずに、何の遠慮もなく受け取るズラブの様子が逆に彼らの絆の深さを物語り、ジョージアの田舎町の温もりが伝わってきた。始終付きまとう(恐らくは体制に粛清された)両親の不在や、戦争、そして飢餓の影はあくまで日常の背景であって、主役を張るのはいつだって底抜けに明るくて時折意地の悪い村の人々で。多産の豚やサクランボの木の実りに一喜一憂する彼らに、まるでズラブに分けた食べ物のように、暖かさというものをしっかりと分けて貰えた作品だった。
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