商品詳細
内容紹介 | 内容:ヘダ号建造. お吉写真帖. 適塾青春記. オランダ水虫. まなこ閉ぢ給ふことなかれ. 贋金一件 |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2004/03/10 |
JAN | 9784167597030 |
- 書籍
- 文庫
お吉写真帖
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お吉写真帖
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文明開化の明治の世の…
文明開化の明治の世の中。新技術に取り組んだ人々の姿が活写されています。
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安部龍太郎の作品は、何故か熱いものがこみ上げてくる。 本作品は6篇から成る短篇集だが、一貫したテーマは幕末動乱である。幕末から明治初期にかけて日本を襲った一大変革期は、今まで持ち得た価値観が根底から覆り、昨日の常識が今日の非常識となるような時代である。そこに生きた人々にとって、そ...
安部龍太郎の作品は、何故か熱いものがこみ上げてくる。 本作品は6篇から成る短篇集だが、一貫したテーマは幕末動乱である。幕末から明治初期にかけて日本を襲った一大変革期は、今まで持ち得た価値観が根底から覆り、昨日の常識が今日の非常識となるような時代である。そこに生きた人々にとって、その変革に対する動揺は想像に難くない。 これほどの変革期にあっても日々の生活は営まれ、何事もないかのように振舞われる。それでもふとした瞬間に日常が日常でなくなり、変革が日常へと移り変わってゆく。その変化について行けるかどうか?それがその人の人生を飛躍させ、あるいはその人生を簡単に没落させてしまうのだ。日々もたらされる西洋諸文明の技術は、庶民に衝撃と羨望を与えるだけに及ばず、あらゆるものをもたらした。 それらの荒波をくぐり抜ける人々の姿が生き生きと描かれ、混沌とした今の時代へと訴えかけるものがある。それが安部龍太郎であり、彼の作品なのだろう。 2004年3月/文芸春秋/文春文庫
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長らくの積読本 2009/10/5〜10/6 帰りの電車内で安倍龍太郎著「お吉写真帖」を読了。 明治維新前後に西洋技術に悪戦苦闘した人々を主人公にした短編集。安政の大地震で破損したロシアの軍艦ディアナ号の代替戦を建造せよと命じられた船大工・寅吉の奮闘を描く「ヘダ号建造」、絵師を...
長らくの積読本 2009/10/5〜10/6 帰りの電車内で安倍龍太郎著「お吉写真帖」を読了。 明治維新前後に西洋技術に悪戦苦闘した人々を主人公にした短編集。安政の大地震で破損したロシアの軍艦ディアナ号の代替戦を建造せよと命じられた船大工・寅吉の奮闘を描く「ヘダ号建造」、絵師を志したものの挫折し、写真に活路を見出した桜田久之助を描く「お吉写真帖」、緒方洪庵の開く適塾で医学に精進しながらも片思いの相手に心を焦がす長与専斎を描く「適塾青春記」、欧州留学が決まり希望に胸を膨らませる西周が幕府の旧体制派との軋轢にもめげず旅をする過程を描く「オランダ水虫」、旗本の娘として生まれ新聞記者としての才能を開花させる向井春子を描く「まなこ閉ぢ給ふことなかれ」、幕末大聖寺藩での薩長に対抗するために贋金づくりにいそしむ人々を描く「贋金一件」。どの作品も何か一つのものに打ち込む人々の美しさが描かれている。その一途さが心をうつ。私も仕事柄そうしないといけないのだが、気が多いからなぁ。
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