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盗まれた手の事件 肉体の法制史 りぶらりあ選書
3,960円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 法政大学出版局/ |
発売年月日 | 2004/07/30 |
JAN | 9784588022234 |
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盗まれた手の事件
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フランスでは隣に住んでいる人が、私が寝ている隙に私の手を切断し、意識が回復する前に、手を自分のものにしてしまうと、この隣人は「手」の所有者となるらしい。体から切り離された手は「物」となり、「物」に対する最初の占有者の権利が問題となるからだそう。こういう話は変だと考えた著者は、肉体...
フランスでは隣に住んでいる人が、私が寝ている隙に私の手を切断し、意識が回復する前に、手を自分のものにしてしまうと、この隣人は「手」の所有者となるらしい。体から切り離された手は「物」となり、「物」に対する最初の占有者の権利が問題となるからだそう。こういう話は変だと考えた著者は、肉体は生前も死後も「物」としての性格を保持し、法的地位は変わらないべきだと主張している。人格(自然人)はそもそも肉体の存在を前提にしているけれど肉体に従属せず、肉体より先に生まれることも、後に生き続けたり、先に滅したりすることもできるのだから、人格と肉体の法的区別を曖昧にせず、切り離すべきだと、ローマ法の伝統に対立する見解を申し立てている。といっても、筆者は肉体を「物」のカテゴリーに入れることに実際的な意味があるのは、死体の法的地位を明確にするとか、肉体の一部の所有権を譲渡するとかの場合に限られ、それ以外の場合には肉体を人格と同一のものとして扱えば済む(仏では肉体から切り離された肉体の一部は商品とはならない「物」らしい)、と言っているように、いまいち一貫した議論とはなっていない感じだ。歴史に興味があれば面白いかも。
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