商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2004/07/10 |
JAN | 9784163231105 |
- 書籍
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半島
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半島
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商品レビュー
4.1
7件のお客様レビュー
「半島」(松浦寿輝)を読んだ。 これは良いな。 胎内くぐりめいた隘路であったり、黄泉比良坂めいた下り坂であったりを辿り、そうして行き着いた異界の朧げな時間を呼吸した主人公が再び現実に戻る時、そしてそれが度重なるうちに、微妙にブレが生じていく。 そもそも『現実』というその瞬間こ...
「半島」(松浦寿輝)を読んだ。 これは良いな。 胎内くぐりめいた隘路であったり、黄泉比良坂めいた下り坂であったりを辿り、そうして行き着いた異界の朧げな時間を呼吸した主人公が再び現実に戻る時、そしてそれが度重なるうちに、微妙にブレが生じていく。 そもそも『現実』というその瞬間こそが容易く移ろう仮初の事象に過ぎないのであるわけで、まあそれ故に貴重で美しくすらあるとも言えるが。 この仄暗く謎めいた半島の密やかな日常に溶け込み、"あわあわ"とした存在のまま齢を重ねるその時間の流れに心惹かれる私である。 どれも一筋縄ではいかない愉快でもありグロテスクでもある寓話が積み重なった快作(怪作)であった。 最後に印象的だった文章をひとつだけ引く。 『横ざまに倒れこんだ姿勢のまま手足を引きつけて胎児のように軀を丸め、その格好でずいぶん長いことじっとしていた。魂というのはきっと丸い形をしているんだろうなという脈絡のない思いがふと浮かんだ。』(本文より)
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仕事を辞めて東京を離れた男が、半島にやってくる。のどかな静かな街と見える。 しかし、主人公の様々なイメージや妄想の中で夢とも現実ともつかない世界が広がる。 ものすごく面白い。次々とドアをくぐり、さまざまなイメージに翻弄される。 読後感は、幸福。こんな本が読めるなんて。 ポールラ...
仕事を辞めて東京を離れた男が、半島にやってくる。のどかな静かな街と見える。 しかし、主人公の様々なイメージや妄想の中で夢とも現実ともつかない世界が広がる。 ものすごく面白い。次々とドアをくぐり、さまざまなイメージに翻弄される。 読後感は、幸福。こんな本が読めるなんて。 ポールラファージの失踪者たちの画家にも似た愉悦。
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