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ヒロシマ 壁に残された伝言 集英社新書
770円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社/ |
発売年月日 | 2003/07/16 |
JAN | 9784087201925 |
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ヒロシマ
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10件のお客様レビュー
原子爆弾投下のあの日から、誰かが残した壁の伝言を辿る記録。恐ろしい熱戦と爆風で広島の街を一瞬にして地獄へと変えた一発の原子爆弾。人類史上最初で最後の核兵器による攻撃は、街とそこに住む人間の大半を消し去り、その後も何年も後遺症を残した。 今ウクライナ戦争で核の使用をちらつかせたり、...
原子爆弾投下のあの日から、誰かが残した壁の伝言を辿る記録。恐ろしい熱戦と爆風で広島の街を一瞬にして地獄へと変えた一発の原子爆弾。人類史上最初で最後の核兵器による攻撃は、街とそこに住む人間の大半を消し去り、その後も何年も後遺症を残した。 今ウクライナ戦争で核の使用をちらつかせたり、国民を疲弊させても実験を繰り返す指導者たちはこの広島の現実を知らない。いや、知らないことを願いたい。知ったうえでなおその様な考えを持っているなら、地球上から消えた方が良い。 日本は非核三原則により、持たず作らず持ち込ませずを国家の念頭において守ってきた。一部持ち込ませずについては、時代の流れや情勢により無視されてきた事実はあっても、日本人の心にはこの三原則は破られない絶対的なルールとして深く根付いている。 広島、長崎後の世界は二つの都市の悲しみを踏み躙るかの様に核開発を進めてきた。現在では、保有の疑いも含めると9つの国が核を兵器として保有している。勿論そこに第二次世界大戦敗戦国のドイツや唯一の被爆国日本は含まれない。現在もなお最大数を保有しているのは、アメリカとロシアだ。東西冷戦中の核対核の構造は、冷戦終結後もそのまま残っている。 恐ろしいことに、それらは核弾頭という小型化などの技術進歩により、アメリカが日本に対して使用した戦略的な位置付けの核から、より「使いやすい」戦術的な側面を持ち始めた。こうなると単なる睨み合い・脅し合いから作戦内での実践利用の危険性は大きく高まる。万が一使用されれば、あとはこの広島や長崎と同じ状況になるだろう。指導者達はそれを、その現実を認識しているだろうか。 昨日G7首脳が広島の平和公園で献花を捧げていた。バイデン大統領はオバマに続いて現職大統領としては2人目だそうだ。アメリカ大統領が献花する意味は、使用した当事者の意味合いでは非常に大きい事だと感じる。存命の被爆者達が許しているとは限らないし、肉親を失った人々が心の底から許せる日など永遠に来ないのかもしれない。だがそれでもなお、わかり合おうとする人々の行為には感動を覚える。 本書は被爆直後の広島のある小学校内に描かれた、被災者達の声を辿っていくものだ。それは見つからない親族を探す言葉、家族の死を伝える言葉、生徒を探しにきた先生の言葉、自分自身の生存を伝える言葉など様々だ。その何れもが被爆に直面した人々の伝えたい・伝えなければならないという深く重たい悲しみを纏っている。 筆者はNHKの番組ディレクターとして、それら一つ一つの言葉から、世の中に平和の大切さ、いやそれ以上に家族の愛を伝えようとする。鑑定やコンピュータ映像などの最新技術を以てしても解読の難しい文字をいとも簡単に読み解く家族。そこには目に見えるもの以上の、愛があるから伝わる・伝える何かがあるのだろう。 本書執筆に際して、老朽化した建物取り壊しを前に、ヒロシマの伝言として有名な写真を発掘して遺したい筆者の強い想いが伝わってくる。これまでに見つからなかった言葉の発見や剥がされた塗装の下から甦ってくる言葉達。市民への呼びかけを通じて集まってくる情報。執筆当時はアメリカ同時多発テロから間もない時期であったため、それらテロと広島の違いと共通点。様々な角度から一つのメッセージに迫っていく過程に時に涙し、時に深く考えさせられる。 本書が書かれてから10年以上が経過し、実際に体験した人も残念ながら徐々に減りつつある。私は戦後生まれで原爆も戦争の恐ろしさも実体験として理解する事はできない。今後も恐らくは平和のうちに生涯を終わるだろう。戦争の記憶を誰かが残す事も必要だし、それに触れて平和について考える事はもっと必要だ。 今この瞬間広島に集まっている世界の首脳だけでなく、モスクワや平壌、テヘランに伝えたい。伝わってほしい。それをリアルに聴ける時間ももうあまり残されていない。
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およそ10年前、広島で発見された小学校に残された原爆投下時、家族を捜す「伝言」の文字。 それを取材した時のドキュメント。 今、一緒に仕事をさせてしている上司の本ということで読んだのだが、戦争を知らない世代の私でも非常に感動した。 同じディレクターとしていろんな意味で悔しさもあり・...
およそ10年前、広島で発見された小学校に残された原爆投下時、家族を捜す「伝言」の文字。 それを取材した時のドキュメント。 今、一緒に仕事をさせてしている上司の本ということで読んだのだが、戦争を知らない世代の私でも非常に感動した。 同じディレクターとしていろんな意味で悔しさもあり・・・反省もした1冊。 ただ純粋に内容には感動した。
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日本の歴史にはあまり深く触れてこなかったが、広島という街に根付くヒロシマを感じることができた。 8月6日からも時間は進み、残された人々は悪夢のような時間を過ごしながら、人を探し、懸命に生きていた。 その事実、現状は自分の想像をはるかに超える状況であった。 過酷という言葉は全く表現...
日本の歴史にはあまり深く触れてこなかったが、広島という街に根付くヒロシマを感じることができた。 8月6日からも時間は進み、残された人々は悪夢のような時間を過ごしながら、人を探し、懸命に生きていた。 その事実、現状は自分の想像をはるかに超える状況であった。 過酷という言葉は全く表現するようのには足りない。 しかし壁に残された伝言の言葉から人々の心の散らばったパズルのピースをはめ合わせるような力を持っていたことが衝撃であり、何も残らずに亡くなってしまった方の遺族の方々にとっては何にも変えがたい文字であったことが非常に印象に残った。
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