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内容紹介 | 内容:翻訳 我が毒 サント・ブウヴ著. 「我が毒」について. 新放送会館. 慶州. 事変と文学. 「文學界」編輯後記. 自我と方法と懐疑. 疑惑. 疑問. 外交と予言. 鏡花の死其他. 神風という言葉について. デカルト選集. 大嶽康子「病院船」. 「テスト氏」の方法. 人生の謎. 学者と官僚. 歴史の活眼. 読書の工夫. 日比野士朗「呉淞クリーク」. イデオロギイの問題. 新明正道へ. 公正の精神 山本健吉著 |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2003/09/10 |
JAN | 9784106435522 |
- 書籍
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小林秀雄全作品(12)
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批評は常に冷静な観察であるとともに情熱ある創造である、そういう立場に批評家が立っている事は難しい。それは立場というようなものではなく、寧ろ凡そ立場というものに関する疑惑を不断に燃やしている事に他ならないからだ。疑惑の中にこそ真の自由がある。それが批評精神の精髄である。サント・...
批評は常に冷静な観察であるとともに情熱ある創造である、そういう立場に批評家が立っている事は難しい。それは立場というようなものではなく、寧ろ凡そ立場というものに関する疑惑を不断に燃やしている事に他ならないからだ。疑惑の中にこそ真の自由がある。それが批評精神の精髄である。サント・ブウヴはこれを毒といった。薄められた毒から人々はいろいろな事を学ぶであろう。併し、真に学ぶとは毒を呑むことではあるまいか。 だが、多くの読者はそこまでは学ぶまい。それはあまり恐ろしいことだ。 だが「手帖」を読む読者は、少なくとも世の所謂主観的批評とか客観的批評とかいう言葉が、いかにも女々しい空言に過ぎないかぐらいは合点するであろう。「手帖」の著者は、常に己を証明して過たなかった。そしてそのことは、彼が語るとおり「僕には春も秋もなかった。乾いた、燃えるような、悲しい、辛い、一切を啖い尽す夏があっただけだ」ということであった。 そういう光景は嫌でも読者の眼に映るであろうから。(p173より)
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