伊藤雅俊の商いのこころ

伊藤雅俊(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本経済新聞社
• 発売年月日: 2003/12/17
• JAN: 9784532311124

商品レビュー

2009/12/23

★人と人の信頼関係

　「イトーヨーカ堂」この名前を聞いたことがない人はあまりいないのではないでしょうか。今回私が読んだ本のタイトルにも名前が入っている伊藤雅俊さんという人は、その「イトーヨーカ堂」の創業者です。彼がこれまで歩んできた道のりを「私の履歴書」として、日本経済新聞に連載してきました。この本は「私の履歴書」をまとめて紹介している本です。

　今は大企業として知られている「イトーヨーカ堂」ですが、ここまで成長するまでには、波乱万丈という一言では表せないくらい様々なことがあったそうです。まず商売人として、父親が頼りなく反面教師となり、母親が商人としての鑑で、母親の背中を見て育ちました。母親は自分で商売する以外生きる術がないと考え、商売をはじめました。「ヨーカ堂」は創業した当初から、人と人の間の信頼関係ということを大切に考えてきました。信頼関係を築いていくために、初めのうちはお金を借りるということをしたことがありませんでした。堅実な商売を繰り返していくことが信頼につながっていきます。

信頼はすぐにできるわけではありません。たくさんの時間をコツコツ積み重ねていかなければいけません。これは経営だけに言えることではありません。友達と付き合ったり、社会で仕事をしたりするときにも、信頼がなければ、人と人の間に良い関係はできないと思います。信頼関係というのを築くのはとても大変ですが、壊れるときにはすぐ壊れてしまうので気をつけなければいけません。私の仲のよい友達同士の間でも信頼関係による問題がありました。一人の友達が一つの小さなウソをついたことから、もう一人の友達ともめ、そこから溝ができ仲が悪くなってしまいました。こんな簡単なことで信頼は無くなってしまいこわいなと実感しました。

　信頼ということを軸にして、「イトーヨーカ堂」は問題を乗り切ってきました。企業が大きくても、大きくなくても、信頼関係というのはとても重要です。私も、今のバイトではお金を扱うということもあるし、ゼミでも連帯感が大事だと思うので、信頼を壊さないよう心がけていこうと思いました。信頼関係は大事だとわかっているかもしれませんが、今一度自分の行動を見直す良いきっかけになる本でした。

（オススメ人：中越　健太）