商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2003/01/20 |
JAN | 9784104576012 |
- 書籍
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汚名
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
多島氏三作目。ここまで読んできたものには、事件の発端が戦時中の出来事、回想録を使う、もしくは回想で語られる、まさかの人物に役割がある、何気なく書かれているような小物に意味がある、の共通点がある。多島氏の作品が必ずしもこの枠にはまるものばかりだではなく偶然だろうが。意外な小物の意味、意外な人物の意外な役割は面白かった。『黒百合』に通じるものを感じる。表紙と中表紙の写真も、タイトルとも内容とも何の関係もなさそうだと思ったのに途中で意味がわかり驚いた。全体に歯切れよく進んでいるが。戦時中の回想部分は他の章に比べ冗長な印象。旧かなも使用しており、別人が書いたことを印象付けたかったのかもしれないが。本作は『症例A』より後に書かれたが、『症例A』の方が文章もこなれていて作品としても完成度が高いと思う。 タイトルは映画に引っ掛けたんだろうか。内容は似ているようで異なるが。 2つほど疑問。 その1、今回は「ゾルゲ事件」がキーとなり実在の人物の名前も出てくる。チュンさんこと中原滋は伊藤律の当時の活動に似たものがあり彼を中心に事件にかかわった多くの人物の特徴を混ぜ合わせたような造形にしたのではと思う。しかしこの事件の発端については、伊藤律は無関係だったと1990年代には既に広く認識されており、2003年に書かれたこの小説で伊藤律の証言が事件の発端とする一文を入れていることに疑問を感じる。 その2、逮捕日の10月17日を「新嘗祭」としているが(p.130、p.224)、「神嘗祭」ではないだろうか。 校正に定評のある新潮社だから、以上2点は私の誤解、あるいは作者が意図的にそうしたのかもしれないが。
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ある人間の過去を探るという、「火車」とも似てるかな。ラストのひねりは物足りないし、作者特有の舞台設定の妙もなかった。
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1月17日読了。「このミステリがすごい!」2003年度の20位の作品。先日行方不明報道がされたミステリ作家、多島斗志之の作品。数十年前に、ドイツ語を教わっていた偏屈な叔母の記憶。ふとしたきっかけで叔母の過去を調べだした作家の主人公がたどり着いた真実とは・・・。昭和な筆致の長い手記...
1月17日読了。「このミステリがすごい!」2003年度の20位の作品。先日行方不明報道がされたミステリ作家、多島斗志之の作品。数十年前に、ドイツ語を教わっていた偏屈な叔母の記憶。ふとしたきっかけで叔母の過去を調べだした作家の主人公がたどり着いた真実とは・・・。昭和な筆致の長い手記、登場人物の聞き書きと形式を変えて語られる過去の話は端正な筆致で実にすらすら頭に入ってくる。読み終わったときに登場人物たちの「想い」がじわりじわりとしみて来る・・・。淡々としたトーンで記述されているだけに再読すると感慨が深そうな作品だ。作者の消息・次作の発表が望まれる。
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