ローマ帝国の神々 光はオリエントより 中公新書

小川英雄(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央公論新社/
• 発売年月日: 2003/10/25
• JAN: 9784121017178

商品レビュー

2024/09/07

エジプト・シリア・イラン・小アジア・ユダヤ教にキリスト教など、版図を広げるローマ帝国に流入してきた様々な宗教をまとめた本。最初の方は時系列や地域を行ったり来たりでちょっと分かりにくかったかも。あとかなり簡潔なので、要素の羅列っぽくなってるところがある。でもローマ帝国の宗教についてまとまって書いてある本ってなかなか他になさそうだし、貴重な一冊だと思う。グノーシス主義についても1章設けて書いてあるのが良かった。

2012/05/20

イシスとセラピス信仰、バール神、キュベレとアッティス、ミトラス教、ユダヤ教、キリスト教、グノーシス主義、占星術等々の実態と盛衰に光を当てた良書。

2012/04/15

ローマ帝国において信仰された神々の起源と概説。ローマ帝国は、その広い国土から様々な技術や文化を取り入れた。宗教においても例外ではなく、支配下のエジプト、シリア等から様々な宗教を取り入れている。ローマ帝国の特徴として、侵略した部族や土地を隷属させるのではなく、むしろ公衆浴場や劇場等の娯楽施設やインフラを整えることで上手く統治していた。そのような一環として、もともとの宗教の儀礼を禁じることなどをせず、むしろ土着の神々とローマの神々を合体させることで、ローマと被支配地の絆をいっそう強くしたのである。本書においては、上述の立場とは逆の視点からこれを見ており、ローマ帝国がオリエントの神々を取り込み、自らがそれを信仰し、広めていった経緯が細かに描かれている。