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アネイリンの歌 ケルトの戦の物語 Y.A.Books
1,980円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小峰書店 |
発売年月日 | 2002/11/30 |
JAN | 9784338144063 |
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アネイリンの歌
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アネイリンの歌
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商品レビュー
3.7
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
サトクリフの本は、いつも結構手こずるのだが、この本は最初から読みやすく、ぐんぐん読み進められた。 紀元前600年のブリテンが舞台で、主人公のプロスパーと付き人となる奴隷のコンの出会いから物語は始まるが、中盤からはケルトの戦いが中心となる。 元となるのはケルトの叙事詩『ゴドウィン』だが、剣士たちの従者であるプロスパーたちのことは、そこですら語られない。でも、戦いの場にともに居て、死地へ駆け込んでいく。 プロスパーは紙一重で生を得て主を連れて戻るものの、同胞隊の仲間たちをすべて失い、帰路で戦いを命じた王の「裏切り」を知り、故郷に戻ることはできず、コンに伝言を頼み、また主に従って旅立って行く。 古い古い物語だ。伝説に語られる物語だ。でも、その中にも、やはり「人」と「思い」がある。それは今と変わらない。
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伝説を今の言葉で伝えるならこの人をおいて他はないというローズマリ・サトクリフによるケルトの叙事詩「ゴドディン」を元にしたケルト人とサクソン人の戦の物語。 正直に言えば「メリダとおそろしの森」を見て、改めてケルトの世界を感じたくなって読んだ訳だけれど、今もなお残るローマ人の残した壁...
伝説を今の言葉で伝えるならこの人をおいて他はないというローズマリ・サトクリフによるケルトの叙事詩「ゴドディン」を元にしたケルト人とサクソン人の戦の物語。 正直に言えば「メリダとおそろしの森」を見て、改めてケルトの世界を感じたくなって読んだ訳だけれど、今もなお残るローマ人の残した壁や街道がどのように使われていたのか、ローマ人の去った後にやってきたサクソン人との関係はどうなのか、小さな領主の連合だったケルトはどうサクソンと対抗していたのか…そんなことがわかる話だった。 それにしてもサトクリフはもっと知られていてもよさそうなものだけれど…。
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児童文学作家として知られるローズマリ・サトクリフ。 これも男の子を主人公にした作品ですが。 ある村で男の子プロスパーが育っていく様子や、付け人として与えられた奴隷の少年コンと次第に友情をはぐくんでいくのは他の作品と似ています。 史実に基づき、戦いの様子が絶望的なので、万人にはお勧...
児童文学作家として知られるローズマリ・サトクリフ。 これも男の子を主人公にした作品ですが。 ある村で男の子プロスパーが育っていく様子や、付け人として与えられた奴隷の少年コンと次第に友情をはぐくんでいくのは他の作品と似ています。 史実に基づき、戦いの様子が絶望的なので、万人にはお勧めできません。 本人は生き残るし、戦いはあっという間だけど。 ゴドディンの国。 少年プロスパーは、三つの郡を治める領主の次男。 12度目の命名日、付け人として買われた奴隷コンを父に与えられます。 親戚で幼なじみのリネットと三人で、仲良く暮らします。 あるとき兄の犬が帰ってこないのを心配して3人で探しに行き、森で白い雄ジカを見かけ、神秘的な思いにうたれます。 評判を聞いてウルヴァイ王の王子ゴルシンが狩りに来ますが、目の前に白い鹿を見た王子は狩りをやめるのです。 鹿が犬たちに狩られるのを止めようとついてきていたプロスパーは王子の思いを知り、いつか仕えたいと望むのでした。 2年半後に、待望の迎えが来ます。 アネイリンとは、実在の吟唱詩人の名。 ただ歌うのではなく王に仕えて、記録の意味もある歌を作った竪琴弾きの華だった。 ゴドディンという国の戦いを勇壮に歌い上げた歌が残されている。 古ウェールズ語で現存する最古の長編詩だそう。 紀元600年の頃、ローマ帝国の支配が終わり、今のイギリスの地には、大小いくつもの国が割拠していました。 ケルト系のブリテンやピクトの民族がゲルマン系のサクソン人やアングロ人の国々の隆盛に押され始めていた時代。 かってケルトの王アーサー・ペンドラゴンがサクソン人を破ったことも語り伝えられていた。 ハドリアヌスの壁の北にはゴドディン、ストラクスライド、レゲドの三つの国があった。 ゴドディンのマナゾグ王の呼び出しに応じて、首都ダン・エイディン(今のエディンバラ)に300人の騎士が集められて同胞隊(カンパニー)を作り、1年間の訓練の後に戦場へ向かった。 小さな国の王子の一人ゴルシンも召し出されたので、プロスパーを従者に加えたのだ。 騎士一人に従者が二人ついて主人の背と互いを守り、矢型隊形を作るのが基本なのだ。 黄金王と呼ばれるマナゾグ王の豊かな暮らし。 仲間達とは次第に友情が生まれ、まだ戦争は素晴らしい物としか考えていなかった。 コンが鍛冶に興味を持っていることを知るプロスパーは弟子入りを勧める。 奴隷はそういう修行は禁じられているためコンはためらうが、ここならコンが奴隷と知る者はいない。今がチャンスだと。付け人が欲しいと思ったことはなかった、これで友達がいるだけになったと思うプロスパー。 南方のデイラ王国の王が死に、サクソン人が乗っ取りに掛かった。 同胞隊はついに出陣するが… サクソンは強力で、カトライスに駐屯する同胞隊が待てど暮らせど援軍を寄越すと約束した国からは、ついに援軍が来ない… 王の息子である将軍はついに勝利を諦め、サクソン人の兵を少しでも減らし、痛手を与えてすぐには侵攻してこないようにすることを目的に、突入する。 300人の名前すべてが詩に歌われ、残っているというのは感動的。 300人のうち、ただ一人の生き残りはカナンという騎士。 カナンはもともと王の信頼篤い家臣の息子で、親衛隊の中でも際だった三兄弟の一番美しい長男だった。 アネイリンの詩の中では美しく称えられるが、ただ一人の生き残りと言われ続けるのは耐え難いと国を離れることを決意。 プロスパーはカナンについてコンスタンチノープルを目指すことに。 300人というのは騎士なので、従者は勘定に入っていないというのがサトクリフらしい視点。 1990年発表の作品。 92年に亡くなっているので、晩年の作品になりますね。 死後に発行された作品もあるので、初出あるいは書かれた時期はもっと前なのかも知れませんが。
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