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ハンナ・アーレント入門
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ハンナ・アーレント入門

杉浦敏子(著者)

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ハンナ・アーレント入門

2,640

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 藤原書店/
発売年月日 2002/12/30
JAN 9784894343146

ハンナ・アーレント入門

¥2,640

商品レビュー

2.7

4件のお客様レビュー

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2015/07/18

ナチス体制によって市民的、政治的権利を奪われた人々は、自分たちの権利を「生得的なもの」として主張することによっては、自分たちの権利を守ることはできなかった。彼らは政治的平等と権利の承認は政治共同体の一員であることによってのみ保障されることを思い知らされたのである。そこではシチズン...

ナチス体制によって市民的、政治的権利を奪われた人々は、自分たちの権利を「生得的なもの」として主張することによっては、自分たちの権利を守ることはできなかった。彼らは政治的平等と権利の承認は政治共同体の一員であることによってのみ保障されることを思い知らされたのである。そこではシチズン湿布は、血と土の民族的共同体に属していない人にとっては無価値だった。それゆえに多くのシオニストたちは、市民の権利と民族共同体は分離できないと考え、国民国家のみが自分たちを安全にできるのだと、イスラエルの建国に邁進したのである。しかしアーレントはユダヤ人の迫害という同じ現実から、このシオニストたちとは異なった結論を出した。むしろそうした経験から非共同体的なシチズン湿布の重要性を悟ったのである。彼女がアメリカの憲法を評価するのは、民族的、宗教的アイデンティティと市民としての政治的地位を関連付けず、ヨーロッパのように、政治的な統合と民族的同一性がリンクしない国家であり、そこに同化という犠牲を払わずに市民になる自由があると考えるからである。イスラエルの建国についても、人種的、民族主義的なアイデンティティではなく。アラブとユダヤの双方の自由と平等という政治的権利に基づいたシチズンシップの重要性を説いた 。

Posted by ブクログ

2014/05/16
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※このレビューにはネタバレを含みます

杉浦敏子『ハンナ・アーレント入門』藤原書店、読了。公共性の復権、政治的なるものの再興、複数性(多様性)の擁護、労働の再考をキーワードに、アーレントの思想を現代に蘇らせる入門。思索を辿るだけでなく、彼女の思索が現代の課題にどのように応答するのかとの意識でその思想の内実を紹介する入門書。 本書は1章をフェミニズムとアーレントに関して割いている。両立しがたい両者だが、自己内部の複数性という彼女の考えに立てば、差異を固定せず、アイデンティティーの偶然性と曖昧性を認めなければならない。 同時に身体の一義性とそれに対する抵抗不可能性を、「行為」と「言葉」が乗り越えるというアーレントの戦略は、フェミニズムの思想に刺激を与えるのではないかと著者は言う。あらかじめ真理を設定せず、自らの臆見を学ぶことを通じて「知」に近くづく戦略は有効ではないかと。 -----  特定の生を強要されることのない自由は、自由主義の獲得した最大の価値であり、近代が要請する自由である。こうした自由と多様性の擁護を、社会の統一性の維持のために犠牲にすれば、全体主義への道を開いてしまうだろう。こうした価値を手放さず、いかに公共性といったものを考えることが可能だろうか。個人が個別の利害を越え、公的なものへの関心を深め、公的なものに対する配慮や責任を担うことはいかに可能か。人々が政治に期待するのは、私的利益の実現と私的福祉の確保ばかりであるというなかで、「本来の政治」、「本来の公共性」をいかに復権することができるのか。     --杉浦敏子『ハンナ・アーレント入門』藤原書店、2002年、200-201頁。 -----

Posted by ブクログ

2013/02/20

入門と呼ぶにはやや内容が込み入っているような印象もあるけれど、同じテーゼに対して多面的に解説を加えていく構成はとても良い。ただし、最後のジェンダーの項はやや弱い。

Posted by ブクログ

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