商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2002/05/01 |
JAN | 9784093942355 |
- 書籍
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ミカドの肖像
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ミカドの肖像
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『ミカドの肖像』は、猪瀬直樹によるノンフィクション。1987年度大宅壮一ノンフィクション賞受賞作品。古い本だが、こと細かく事実が書かれているので、読めば新しい発見がある。 西武グループは戦後、皇族の領地を安く買い取って、プリンスホテルを建てていったという。西武グループの創始者、堤康次郎は、戦後土地を買い漁った。終戦時は今と違って、土地なんて買っても儲からないと思われていた。何故堤は、資産価値なんてないと思われていた土地を買い漁ったのか。堤の評伝では、理由が曖昧にぼかされているけど、著者は、本当の理由を探った。 堤は、企業家や政治家などの有志が集まるグループにコネで所属し、グループが発行していた雑誌を読んでいた。堤が読んだ雑誌には、アメリカの最新の動向が書かれていた。当時のニューヨークは、都市開発が盛ん。土地を買って資産を増やした人が多かったという。著者は、この雑誌を読んだことで、堤康二郎の土地に対する過剰な執着が生まれたのではないかと推定している。つまり、日本も都市開発が進めば、ニューヨークみたく地価が高騰するんじゃないかという予測。 戦後、GHQの政策によってお金と権力を取られた旧皇族から、西武グループは土地を安値で買い占める。プリンスホテルを各地に建設し、リゾートを作る。都心のオフィスに通うベッドタウンも開発したし、ベッドタウンの終点には遊園地も開発した。ベッドタウンから都心まで鉄道を敷いて、土地を使って金を儲けたわけだ。 戦前は、天皇が権力の頂点であり、象徴だった。戦後、日本はアメリカ型の大衆社会に転身する。戦後の主役は、消費し、娯楽にふける欲望全開の大衆だ。経営者であり資産家である堤一族は、戦後の大衆社会で、強大な権力と富を手中におさめることになる。まあバブルが弾けて堤帝国も没落するわけだけど。 というような、堤家と天皇家の関係を綴った第一部に続く後半では、西洋で流行したオペラ『ミカド』の詳細、明治天皇の御真影が何故ヨーロッパ人の顔つきなのか、といった謎が解き明かされていく。 一ページあたりの情報量が膨大で、読むのに時間がかかる良書。最近の本は1ページあたりの情報量が少なすぎると思っている人にはうってつけの本。
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