商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社/ |
発売年月日 | 2002/11/20 |
JAN | 9784309015033 |
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商品レビュー
3
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ミステリーに分類されるお話だと思う(確か活字倶楽部ではそうでした)んですが、事件だけでなく、その背景の人間模様がすごく丁寧に描かれているので、トリック勝負な話はあんまり…な方にも読んで頂けるのではないかなぁと思います。 具合の悪い時にやめておけばよかった…とちょっと思ったのは、人間同士の負の感情が対立するところはこれでもか、というほど言葉にも態度にも悪意がむき出しだったりします。夫婦が、嫁と姑、舅が、近所の住人達が―簡単に人に敵意を向けるのは字面としておっているだけでもすこし気重になりましたが、適当な言葉でごまかされていないからこそだとも思います。 そして、交わされる辛い言葉と同じく、すべてを包み込むような一つ高みから伝わってくる言葉や態度がすごく生きている作品だと思います。 不幸というものを自らが引き寄せてしまうのか、文中にあるように「不幸という駒を宿命的に握らされているのか」、それは決して後者であってはならないと思いながらも、虚構の世界の真相に辿り着いた時に、すうっと気持ちが冷たくなるような、そんな気がしました。 (2003年4月4日)
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