商品詳細
内容紹介 | 内容:静かな家. 金輪際. 白黒忌. 花椿. ある平凡. 児玉まで. 変 |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2002/11/10 |
JAN | 9784167654023 |
- 書籍
- 文庫
金輪際
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金輪際
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商品レビュー
4.1
9件のお客様レビュー
表題作含む毒気に満ちた私小説数作の他、主人公に自己を投影したセンチメンタルで退廃的な男女作品群が特に目を引いた。あとがきの三浦氏による、作者への『幻想小説作家』という形容がとても腑に落ちた。 粒揃いの短編集で非常に満足度が高い。
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「静かな家」 高所恐怖症の説が面白い。「金輪際」 子どもの頃の話。「変」 長吉さん入院す。「漂流物」にて、何故芥川賞が獲れなかったかが書いてある。確かにそれは「おのれッ」であるよ。その時の世相に左右される程度の賞ならば、芥川賞なぞとものしく呼ばず、「売って儲けま賞」とでも付けてお...
「静かな家」 高所恐怖症の説が面白い。「金輪際」 子どもの頃の話。「変」 長吉さん入院す。「漂流物」にて、何故芥川賞が獲れなかったかが書いてある。確かにそれは「おのれッ」であるよ。その時の世相に左右される程度の賞ならば、芥川賞なぞとものしく呼ばず、「売って儲けま賞」とでも付けておけ。9人の選者の釘打ち許す。私からも天誅。ちなみに、保坂和志の「この人の閾」にまけたそうだ。忌んで良し!他。
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ある平凡 児玉まで が、長吉らしいのに、 長吉らしくないという感覚があり、 こういう言葉の選び方で、 こういう情景を描くことができるのかと新鮮に感じたが、 昭和57年と58年の発表作品ということを知り、 妙な納得があった。 業に満ち、限りなく生々しく主観的であり、 あの世とこの...
ある平凡 児玉まで が、長吉らしいのに、 長吉らしくないという感覚があり、 こういう言葉の選び方で、 こういう情景を描くことができるのかと新鮮に感じたが、 昭和57年と58年の発表作品ということを知り、 妙な納得があった。 業に満ち、限りなく生々しく主観的であり、 あの世とこの世の際のような怖さと、 同時に、それが故に幻想的でさえある物語の元型は、 既に完成されているが、 後に生み出される数々の傑作に続く、 萌芽なのだ。 いずれも良作なのだが、 ここから限りない自己批判と、 自己愛の終わりなき渦に巻き込まれ、 抜けだしていくからこそ、 車谷長吉が完成したのだろうと感じられた。 本当に心から、 この先老いを重ねることで行き着く、 彼の文学の骨頂を確かめられなかったことが、 惜しまれてならない。
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