妖人白山伯

鹿島茂(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 2002/05/31
• JAN: 9784062111430

商品レビュー

2021/10/09

タイトル通り妖しげな物語。
幕末から明治初期のフランスと日本を舞台に野望に満ちたモンブラン伯爵が暗躍する。
あの時代のあの事件もあの出来事も、すべて裏にはこのモンブラン伯がいたのだった…
と、あちこちに実在の有名人が登場します。主人公に近い役割の人物も原敬ですしね。
ただ、著者にとってこれが初の小説ということで、物語はどうもぶつぶつと切れている感じがしてしまいます。
流れが良くない。
そしてとにかくエロで攻めてくる。
女色男色ガンガンくる。
でもそこにあんまり魅力がないというか、エロくないというか、エロくしようとしてるのに上手くいってないというか。
もう少し頑張って感。

2006/05/16

幕末の日本をカモろうとした山師、モンブラン伯爵によって明らかになる、政府要人の下半身事情と西南戦争の裏事情。何と、フランス人のモンブランが王政復古のシナリオを描き、薩摩藩を裏から操り西南戦争（クーデター）を起こさせた、という話。

モンブラン（白山）伯とは、実在の人物らしい。とくに理念なく金になりそうな方に取り入り、いつの間にか仲介、調停役などで双方よりあがりを得て自分だけいい目を見る要領のいいナゾのおっさん、だったようだ。信用を失う、工作が失敗する等旗色が悪くなるととさっさと消える。
そういう人のことを山師というのか。
似たような人物を現実社会で知っている。かなり許しがたい存在である。
しかしこれは小説なので、彼の暗躍も痛快に描かれている。

また、幕末・明治時代の日本やフランスの性風俗店の様子とか詳しく書かれていて、ホントかどうかわからないけど面白い。