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ヨーロッパ型資本主義 アメリカ市場原理主義との決別 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2002/10/20 |
JAN | 9784061496286 |
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ヨーロッパ型資本主義
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ヨーロッパ型資本主義
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アメリカ型資本主義(…
アメリカ型資本主義(市場原理主義)とヨーロッパ型資本主義を軸に話を進めていく。ここで言う、ヨーロッパ型資本主義とは、「落ち着きとゆとりのある社会を作り、貧富の格差をそう大きくせず、治安のよい状態を維持していこうという」考え方である。本書を読みつつ改めて感じたのは、市場は手段であっ...
アメリカ型資本主義(市場原理主義)とヨーロッパ型資本主義を軸に話を進めていく。ここで言う、ヨーロッパ型資本主義とは、「落ち着きとゆとりのある社会を作り、貧富の格差をそう大きくせず、治安のよい状態を維持していこうという」考え方である。本書を読みつつ改めて感じたのは、市場は手段であって、それ自体は目的にはなりえないのであるということだ。すべてを市場に任せておけば、問題ないという考え方に疑問を持ったら是非読んでみるべき価値の本である。
文庫OFF
◆資本主義は一種類だけではない。歴史・地理・環境その他、その国固有の事情に伴い変容している。その当たり前の事実に依拠し、本書は欧州的な資本主義の特徴を米国と比較しつつ検討する。日本が真に学ぶべきは米でなく欧?◆ 2002年刊行。 著者は野村総合研究所主席エコノミスト。 シン...
◆資本主義は一種類だけではない。歴史・地理・環境その他、その国固有の事情に伴い変容している。その当たり前の事実に依拠し、本書は欧州的な資本主義の特徴を米国と比較しつつ検討する。日本が真に学ぶべきは米でなく欧?◆ 2002年刊行。 著者は野村総合研究所主席エコノミスト。 シンクタンクに所属し、米ワシントン・欧州を主フィールドに、調査研究をしてきた著者が、米・欧間の「資本主義」概念の違い、それが生まれた背景を踏まえ、資本主義の多様性、欧州の長所を米と比較しながら開陳し、米的資本主義一辺倒になりがちな日本の資本主義の方向性に竿を差そうとする書。 資本主義というものは一つの概念に包摂されて、どこの国のそれも違いはないと感じる向きもあるかもしれない。 しかし、ジャパンバッシングではないが、日本異質論が展開されるところを見ると、資本主義といっても国毎に差があるということは正面から承認してもよいはずだ。ある意味、国毎で歴史は違い、資本主義の発生や導入経緯にも差異がある。そして資本主義が生まれてからも、人口や地勢、保有資源の差、さらには科学技術の進展の違いや、海外市場との離隔や国内市場の大きさなど異なる歴史を歩んだ様々な要因に違いがあり、それは単に日欧の差というのではなく、欧米各国間にも違いがあると言えるだろう。 この観点で、印象的なのは、米国の母体であり、米的資本主義に最も親近性のある旧強国イギリスが、現代的米国資本主義の導入・実施に対する逡巡が見受けられる点。 そもそも国力が強くないと米的資本主義は受忍し得ないとの感想も生まれるところだ。 また、独仏の差異も考えさせられる。 とはいえ、欧州統合の理念と実務。これを主導したフランス政治家ジャン・モネ、欧州共同体(EC)から通貨統合・欧州連合への道筋をつけたEC委員長ジャック・ドロールの軌跡を検討しているのは、本書の買いであろうか。 総じて、ミレニアム前後の、子ブッシュ政権下の米国の独善的行動に対する、EUへの期待感が高揚した時期の著作であり、それゆえ、その後のギリシャ危機・南欧危機、これに伴うユーロ危機は等閑視される。まぁ難民流入に伴う右派台頭の危険性は本書でも指摘されているが…。 そもそも資本主義といっても多様性があり、現代日本においては、意外にドイツとドイツ企業体制を学ぶべきではとの読後感が残る。それは、製造業の国内生産における影響力、職人に対する日本的心性との共通項、株主以外のステークホルダーへの関心と利害尊重の必要性などに依る。 故に、経済学の先生方も、アメリカ一辺倒ではなく、ヨーロッパへ留学する人たちが増えればいいのになぁ、と思うのは私だけか。
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資本主義下の現代社会において、どれだけ効率的な生産体系、市場機構を作り出せるか、どれだけ他国とのGDP競争に差をつけることができるか。これらは、非常に重要な関心事であり、国家の活動目的も、この点にのみ存在する。このような認識は、本書で著者が述べているように、日本的な資本主義社会の...
資本主義下の現代社会において、どれだけ効率的な生産体系、市場機構を作り出せるか、どれだけ他国とのGDP競争に差をつけることができるか。これらは、非常に重要な関心事であり、国家の活動目的も、この点にのみ存在する。このような認識は、本書で著者が述べているように、日本的な資本主義社会の一つの特徴かもしれない。 しかし、EU各国が展開させている国家活動は、決してGDPのためではなく、国民そのもののためにある。この点を、著者は、市場の限界を理解し、国内の経済活動に対し、必要なところに規制を創り、足りないところに歳出を繰り出す、というようにまとめている。 もちろん、EU各国が何らの問題も抱えずに上手く統治業務を行えているわけではない。しかし、事が実際に機能しているかどうかよりも、国家のあり方そのものを捉え直し、行政のやるべきことは何かを考えていく上では、EU各国の動向から学べるものは多いように思う。
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