商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 淡交社/ |
発売年月日 | 2002/05/13 |
JAN | 9784473019004 |
- 書籍
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能と茶の湯
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能と茶の湯
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今度鎌倉の薪能を観に行くので、その前に改めて予習しようと、できれば茶の湯に関連付けて、と思って手に取った。なんとなくでしか意識してこなかったけど、茶の湯と能は深い関係があるんだなと思った。そもそもの発展の過程に室町幕府や江戸幕府が大きくかかわっているしな。 能について風姿花伝など...
今度鎌倉の薪能を観に行くので、その前に改めて予習しようと、できれば茶の湯に関連付けて、と思って手に取った。なんとなくでしか意識してこなかったけど、茶の湯と能は深い関係があるんだなと思った。そもそもの発展の過程に室町幕府や江戸幕府が大きくかかわっているしな。 能について風姿花伝などをもとに能の発祥だったり心がけなどを書いているんだけど、それと茶の湯を関連づけているのがよかった。利休の朝顔の茶の湯のエピソードと「秘すれば花」「珍しきが花」が同じだとか。24頁「客が前もって花であることを知らずに見てこそ、ほんとうの花となるのではないでしょうか。工夫した末の花と最初は気付かないことが花なのです」とか、風姿花伝の別紙口伝から「この道を究め終わりて見れば花とて別には無きもの也」を引用し、「花が無いということは、言い換えればすべてが花であると言うに等しい」としたり、「奥儀を究めて、萬に珍しき理を我と知るならでは、花は有るべからず」から「能の奥儀を極めて「珍しき理」を悟り知るのでなければ、ほんとうの花というものはない」としている。 「月も雲間のなきは嫌にて候」という珠光の言葉は1512年に金春禅鳳が『禅鳳雑談』に残している。 利休との関連で宮王大夫という金春座の傍流の宮王大夫の道三、三郎兄弟と親しく、三郎の宗恩が1581年に利休の後妻となり、小庵が利休の養子となるという経緯についても触れている。宮王道三もなかなかの茶人で、宮王を冠する茶入や釜などが残っている。 能ゆかりの茶道具と菓子の章も充実していて、ここで能への関心が搔き立てられた。染付高砂花入、秀吉作の竹花入大会、竹生島釜、羽衣香合、瀬戸破風窯茶入の翁、さらにはよく聞く飛鳥川も、古今集という共通の源流があるから能との関連性がある。 今度の薪能の演目である通小町は巻末の能楽四季別一覧に載っていた。その前に素謡で翁があるんだけど、本書を読んで翁が能のなかでどのような位置付けかも知ることができた。かつて能は何度か見ていて、記憶に残っているのが明恵上人が竜神と会うヤツ、これは春日竜神というらしいんだけど、これは載っていなかった。
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