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天明蝦夷探検始末記 田沼意次と悲運の探検家たち
4,180円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 影書房 |
発売年月日 | 2001/10/15 |
JAN | 9784877142827 |
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天明蝦夷探検始末記
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天明蝦夷探検始末記
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商品レビュー
4
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※このレビューにはネタバレを含みます
2001(底本1974)年刊。著者は一関修紅短大学長。 印旛沼干拓や対外貿易・交易拡充にて、沈滞する江戸幕府の再生を図ろうとした老中田沼意次。 彼の治世時、南下しつつあった露国対策から、蝦夷地、樺太、千島列島の探索が求められていた。 一方、極寒で、越冬基地も用意されない彼の地の冬将軍は地獄。幕命とはいえ、この事実を知らずに探検し、極寒と食糧不足のため男達は力尽きていく。 本書は、この未踏の絶海地域を探索した人々の記録である。 また、田沼から松平定信に政権交代したことにも翻弄されつつ、命をかけた男たちの冒険・苦難は胸を打つ。良書である。
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最上徳内の名前は知っていても、何をした人かは答えられない。なぜ、この探検は知られることなく歴史の谷間に沈み込んでしまっているのだろうか。『風雲児たち』で知るまでは私も知らなかった。
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先に読んだ鈴木由紀子著「開国前夜~田沼時代の輝き」に触発されて、ここのところ「田沼意次」にはまっている。オーソドックスな概説書「田沼意次の時代」(大石慎三郎・岩波書店」でウオーミングアップ、次にとりかかったのが今回紹介する 照井荘助著「天明蝦夷探検始末記」 これは衝撃的な書だ。...
先に読んだ鈴木由紀子著「開国前夜~田沼時代の輝き」に触発されて、ここのところ「田沼意次」にはまっている。オーソドックスな概説書「田沼意次の時代」(大石慎三郎・岩波書店」でウオーミングアップ、次にとりかかったのが今回紹介する 照井荘助著「天明蝦夷探検始末記」 これは衝撃的な書だ。 天明6年(1786年)徳川幕府(老中田沼意次)の指示で実施された初の本格的な蝦夷探検。東西に分かれた探検隊は西蝦夷班がカラフト上陸、東蝦夷班は国後・択捉まで足を伸ばし、地理、自然環境から在住のアイヌの状況まで調べ上げた。その中には当時の松前藩とその御用商人によるアイヌへの苛斂誅求の報告も含まれており、さらには北方からのロシア(当時は赤蝦夷と称した)の脅威にも触れている。先駆的な業績だ。 ところが、2年にわたる過酷な探検行から江戸に戻った一行を待ち受けていたのは、田沼の失脚、蝦夷探検の取りやめ。しかも探検隊の主だった者たちには逮捕・入牢が待っていた。その背後にあったのが田沼憎しに凝り固まった松平定信ら譜代大名ら「守旧派」の策謀。 実は田沼政権は、打ち続く飢饉、幕府の窮乏を救うために蝦夷の開発(非人の労働力活用)、ロシアとの交易開始(鎖国の否定)を含む抜本的な改革を密かに進めていた著者は主張する。 長らく「賄賂政治家」として批判的評価を浴びせられてきた田沼意次を再評価、一方で「寛政の改革」で名声を上げ、賢君とされる松平定信の治世の問題点、そして「田沼」と「蝦夷探検」を徳川の正史から抹殺した点を厳しく弾劾したこの書はまるでよくできたミステリー書。在野の研究者である著者の苦闘の書だが、学界からは無視され続けてきた。 昨今の「田沼」再評価の流れの中で、是非一読したい好著。 ちなみに、天明の探検隊に随行した最上徳内は後に赦免され、松平政権下で再度、再〃度の蝦夷見分に赴いているが、その際、箱館にも立ち寄っている。当時の箱館の人口は1,500人程度の寒村。その後、ロシアからの使節(ラクスマン)が寄航(1793年)しているが、歴史に本格的に登場するのはこれから50年の時を待たなければならない。
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