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ユーラシアの秋 集英社文庫
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ユーラシアの秋 集英社文庫

佐々木良江(著者)

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ユーラシアの秋 集英社文庫

921

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社/
発売年月日 2001/10/18
JAN 9784087473759

ユーラシアの秋

¥921

商品レビュー

4

4件のお客様レビュー

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2017/02/24

あまり知られていないと思われるが、なかなかすごいノンフィクションである。 1970年代に駐在員として、当時のソ連に派遣されていた人の妻が、東洋系ロシア人のおばあさんに出会い、その人から2日間かけて聞いた彼女の人生を本にしたもの。おばあさんは日本語を話すことができた。 昔のソ連は、...

あまり知られていないと思われるが、なかなかすごいノンフィクションである。 1970年代に駐在員として、当時のソ連に派遣されていた人の妻が、東洋系ロシア人のおばあさんに出会い、その人から2日間かけて聞いた彼女の人生を本にしたもの。おばあさんは日本語を話すことができた。 昔のソ連は、寒々とした謎に包まれていて、人々がどういう暮らしをしていたか、知ろうとするのもはばかられるイメージがある。実際に国民が政府に支配されていた。 この主人公のハナという女性が、どういう運命に翻弄され、何をしてきて、どういう人生を送ったか。戦争の影響を受けた若い頃は壮絶ではあるが、重要なポイントで運よく周囲の人に助けられ努力もし、晩年は人に囲まれて穏やかな暮らしを手に入れる。彼女にとっての故郷はどこで、どういう存在なのか。 著者はもともと作家ではなく、聞いた話がもとになっているので、話にまとまりはないが、流れはよくつかめる。

Posted by ブクログ

2016/06/20

夫の仕事について中央アジア部のソ連で暮らしていた著者はある日、一人のバーブシカ(おばあさん)と出会う。驚くことに日本語が話せる彼女は、著者に想像もつかないような流転の人生を語ってくれた。 日本人と朝鮮人の間に生まれたハナは、養親のもとで育つが、若くして養親と死に別れ、朝鮮半島から...

夫の仕事について中央アジア部のソ連で暮らしていた著者はある日、一人のバーブシカ(おばあさん)と出会う。驚くことに日本語が話せる彼女は、著者に想像もつかないような流転の人生を語ってくれた。 日本人と朝鮮人の間に生まれたハナは、養親のもとで育つが、若くして養親と死に別れ、朝鮮半島から極東ロシアに移り、そこで終戦を迎えたことで、ソ連の人民として後半生を送ることになる。歴史に翻弄された人生が事細かに書かれていて、まるで小説あるいはバーブシカの作り話のようにさえ思える。広大な地続きのユーラシアで、同じように流されるように生まれ育った地やなじみの人と離れ、人生を生きた人たちがたくさんいたことだろう。現に、ハナの周りにも同じような境遇の人たちが入れ代わり立ち代わり登場する。 一方で、祖国を離れ、懐かしい人と別れても、自分から派生する家族ができるといつしかその家族のほうが大切になっていくのだなとも思った。 戦争とか共産主義という名を借りた圧制とか、人を不幸にすることばかりの国家ってやつは何なんだろう。

Posted by ブクログ

2011/08/25

かなり読み応えがあった。 10余年の歳月をかけて世に出たらしいこの作品、たった2日の取材(というかお茶を飲みながらの会話)でこれだけの長編を書きあげたらしいのだけれど…レコーダーもなくメモもなく、ここまで記憶できたのがすごい。 私は読んでいる途中で、ロシア人の名前がごっちゃになっ...

かなり読み応えがあった。 10余年の歳月をかけて世に出たらしいこの作品、たった2日の取材(というかお茶を飲みながらの会話)でこれだけの長編を書きあげたらしいのだけれど…レコーダーもなくメモもなく、ここまで記憶できたのがすごい。 私は読んでいる途中で、ロシア人の名前がごっちゃになってわからなくなった…。

Posted by ブクログ

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