御手洗潔のメロディ 多彩な四つの奇蹟 講談社ノベルス

島田荘司(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 2001/01/10
• JAN: 9784061821514

商品レビュー

2015/03/01

4篇収録の短篇集。

ミステリ色が強いのは「ＩｇＥ」と「ボストン幽霊絵画事件」で、あとの2篇は事件性のない御手洗にまつわる思い出についての手記。

4篇に共通するのはタイトルが醸し出す雰囲気そのままのセンチメンタルさだろうか。

「ＳＩＶＡＤ　ＳＥＬＩＭ」の追憶の甘みのくだりが印象的。

p104 「どんな陰惨な事件も、時を経れば追憶に甘みが出る。それはまさしくただの酸っぱい水が酒に変わっていく過程なのだが、同時に他人事たる残酷な事件が、ますます他人事になっていく過程と言えないこともない」

夏になるとテレビ局がこぞって感動系の戦争ドラマを放映する。そんなことを連想した。

2014/10/19

「御手洗潔のメロディ」島田荘司◆ファミレスの便器が壊されることに端を発する「IgE」など4編。御手洗は基本的に善意の人で、遠回しな優しさが捻くれて見えるのかも。石岡くんと出会った時のことに触れられているのが面白いのですが、石岡くんに対するレオナの嫉妬は筋違いのようにも思える。

2011/02/08

御手洗シリーズの短編集。
軽いと言うには違和感を感じるが、長編の重さに比べると大分読みやすい。
何だかんだで石岡くんが出る前二作が好きです（特に『SIVAD〜』が)、しかし『さらば遠い輝き』も捨てがたい。
ミステリではないが、中々引き込まれてしまった。
レオナさんには悪いが、ずっとこんな関係で居て欲しいと思ったり。
『異邦の騎士』が久しぶりに読み返したくなりました。