真贋のはざま デュシャンから遺伝子まで 東京大学コレクション7

西野嘉章(編者)

• 販売会社／発売会社: 東京大学総合研究博物館/東京大学出版会
• 発売年月日: 2001/11/05
• JAN: 9784130202121

商品レビュー

2019/03/10

オリジナル作品から派生する様々な作品のことについて
贋作コピーレプリカ
作品を制作するためのいと
どのような価値があるのか意味付け

2018/11/18

期待が大きすぎたか
真贋のはざま、デュシャンから遺伝子まで、だなんて惹かれるタイトルに、本としての体裁のよさ、たまたま立ち寄った東大でふと見かけた出会いの良さなどがあいまって、かなり期待をしていた。
総論の部分も凄く面白かった。
模倣について考える大きなヒントになることを期待していたのだけれども、尻窄み。竜頭蛇尾。
各論が、それぞれのテーマの話におわって、肝心の「真贋のはざま」の考察が深まっていかない。関連事例の紹介に終始して、結局は、こういうのも真贋のはざまを考えるのに面白い事例だよね、というのに留まる。

それではつまらん。まだ大学院生っぽい人らが書いてるのもあってか、情報の整理はできてるが、発想が羽ばたかない。それが学問ということなのか。であれば、なんと退屈な学問か。関連情報の紐付けと整理を正確にやる、という程度でいいのか。その学問は何を目指しているのか。

もちろん、知らないことはいっぱい書いてあるので、学ぶものはいっぱいあった。
マルローの空想の美術館とかも知らなかった自分を恥じつつ。
模倣を否定したプラトンと肯定したアリストテレス。
模倣には模範がうまれること。
オリジナリティ神話の誕生の整理などは役立つ。
石膏コピーなどを学習に使おうとしたフランス、イギリスの例なども有難い事例だった。

しかし、結果的にはおそらく1/3くらいしか読んでない。ちゃんと読めばもっと得るものもあるだろうが、その時間を別の本に回した方が得るものがありそうだ、と思ってしまった。
残念。