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猫の客
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平出隆(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社/
発売年月日 2001/09/26
JAN 9784309014302

猫の客

¥1,540

商品レビュー

4.3

11件のお客様レビュー

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2024/10/27

■感想 借家に住む夫婦のもとにひょっこりあらわれた、隣家の猫チビ。「これ、うちの猫じゃないの?」と妻がいうくらい、チビは勝手気ままに庭や家に出入りし、やがて暮らしの一部となる。 ペット不可の賃貸住みにはなんとも羨ましい物語だけど、所詮はよその家の猫、そこには埋めがたい隔たりも...

■感想 借家に住む夫婦のもとにひょっこりあらわれた、隣家の猫チビ。「これ、うちの猫じゃないの?」と妻がいうくらい、チビは勝手気ままに庭や家に出入りし、やがて暮らしの一部となる。 ペット不可の賃貸住みにはなんとも羨ましい物語だけど、所詮はよその家の猫、そこには埋めがたい隔たりも。私もジョギング中に近所の外飼い猫とよく会うので、その切なさに共感。 また、町や家の空間配置が妙に緻密なのも印象的だった。地理や建築を学ぶ学生が読んで、地図や間取り・パースに起こす課題があったら面白い(私の予想は小田急線・千歳船橋の桜丘あたり)。 ■備忘 - それにしても稲妻小路とは、なんてすてきな名前だろう。私も自宅まわりの名もなき道に、自分たちだけの呼称をあたえてみよう。 - 大家のおばあさんと店子の夫婦の、即かず離れずの良好な距離感もよかった。 - 物語の象徴的な役割をはたす欅の木は、英語で zelkova というが、欅の分布は東アジアの日韓中台に限られ、欧米人に zelkova はあまり知られていない木のようだ。 - 野良猫が今よりよほど優雅にぶらついていた、古き良き時代の物語ではある。でも猫は室内飼いが基本の昨今、庭に遊びにくる猫をめでるのは物語の中でがまんするのがマナーなのだろう。 - とくに交流があるわけでもない隣家のペットを断りなく可愛がることの、微妙なむずかしさ。 - シャコ(主な産地は北海道、伊勢湾・三河湾、瀬戸内海)は有明海ではシャッパと呼ばれているらしい。 - さすが詩人がものした私小説、抑制のきいた筆致が静かで美しい。また日本家屋の丁寧な描写に、いまやなかなか手に入らないゆったりとした暮らしへの、仄かな憧れをかき立てられてしまった。 - 日本家屋: 濡れ縁、式台、掃き出し窓、陸梁 - その他: 礼者、花紺、荒草 - 庭につどう生きものも豊か: 躑躅、シオカラトンボ、オオカマキリ

Posted by ブクログ

2021/12/08

とても静かな物語。 老夫婦が住む屋敷の離れを借りて暮らす夫婦。 隣の家で猫が飼われ、その猫が頻繁に出入りして、 夫婦はその猫を可愛がる。 しかし、パタッと猫が来なくなり死んでしまったと知る。 その後の屋敷での事、隣の家との関係、引っ越す事になり、新居のマンションの敷地に仔猫が暮...

とても静かな物語。 老夫婦が住む屋敷の離れを借りて暮らす夫婦。 隣の家で猫が飼われ、その猫が頻繁に出入りして、 夫婦はその猫を可愛がる。 しかし、パタッと猫が来なくなり死んでしまったと知る。 その後の屋敷での事、隣の家との関係、引っ越す事になり、新居のマンションの敷地に仔猫が暮らしている風景。 広くはない地域での夫婦と猫。 時代を表す土地の変化。 短い内容だけど、静かな日常が綴られている。

Posted by ブクログ

2021/01/28

平出隆(ひらいで たかし)さん、初読みです。「猫の客」、2001.9発行。しっかりした観察眼と心理描写に裏打ちされた「猫」への思いが伝わってくる作品です。日記でしょうか、小説でしょうか。子供のいない夫婦の家に、隣りの家で飼っている子猫が毎日やってきて、まるで「うちの猫」のように。...

平出隆(ひらいで たかし)さん、初読みです。「猫の客」、2001.9発行。しっかりした観察眼と心理描写に裏打ちされた「猫」への思いが伝わってくる作品です。日記でしょうか、小説でしょうか。子供のいない夫婦の家に、隣りの家で飼っている子猫が毎日やってきて、まるで「うちの猫」のように。その猫の交通事故死による喪失感、飼い主との齟齬など夫婦にとって辛い出来事も。子猫(チビ)を介しての、飼い主の冷たさと夫婦の暖かさの対比がこの作品のテーマのような気がします。

Posted by ブクログ

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