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二十三の戦争短編小説
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二十三の戦争短編小説

古山高麗雄(著者)

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二十三の戦争短編小説

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商品詳細

内容紹介 内容:墓地で. プレオ-8の夜明け. 白い田圃. 蟻の自由. 今夜、死ぬ. 水筒・飯盒・雑嚢. 退散じゃ. 戦友. 優勝記略. 元憲兵. 日本好戦詩集. 7・7・7. ムショ仲間. 子守り. チリ紙の住所録. 三年. マルタンの金魚売り. 日常. 草の挿し木. セミの追憶. 思うだけ. 過去. 真吾の恋人
販売会社/発売会社 文藝春秋/
発売年月日 2001/05/15
JAN 9784163200309

二十三の戦争短編小説

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2015/11/08
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著者の古山氏は、昭和17年に入隊し、フィリピン、ベトナム、ラオス、中国、ビルマ(ミャンマー)、カンボジア、マレーシア、タイを転戦し、昭和22年に復員した。 戦地では、司令部付けということで最前線に立つことは無かった。だが、行軍中にわずかの差で砲撃で死んだ戦友もいるなど、死とはいつも隣り合わせだった。 また、戦後は戦犯として入獄するなど苦労もしている。 本書は、そんな彼の体験を小説化した作品と、過去を思い出しながら書いたエッセイの23編を収録している。 平成13年、80歳の時に出版された574ページの本書は、彼の体験した個人的な戦争の記録でもある。 前年に妻を亡くし、2年後にはご本人も亡くなる。それまでには、戦争を生き残った戦友たちとも冥界を境にし、寂しい思いをしただろう。 彼は南京大虐殺についてはマスコミの誇大報道があるとしているが、実際にタイでカレン族の村をスパイ容疑で襲い、同行していた憲兵が彼は何も知らないだろうが見せしめのために殺すと村人を殺害したり、逃げる村人たちを女性子供まで銃撃させられたりした経験から軍隊が民間人を殺害することはあっただろうと書いている。 慰安婦については1度しか利用していないとしつつも、駐屯数日後には慰安所が設けられ、軍人の階級によって値段と行ける時間帯などが違っていたことなどを書いている。 読んでいると自分は体験していないことなのに、著者の体験にいつの間にか同化し、まるで自分が体験したような気になってしまう。 芥川賞受賞の短編では、登場人物が仮名にしてあるが、後半のエッセイではモデルは誰それと本名が書かれているのも面白い。 彼は捕虜虐待の罪で戦後もすぐには帰ることが出来なかった。懲役8ヶ月の判決が出たときには、それ以上に服役していたので、すぐに釈放される。 釈放されても復員船に乗れるまではキャンプで過ごすことになるわけだが。 それにしても生きて帰ってくることが出来て、結婚もし、戦後60年近く生きた彼だが、ほかの戦友同様一生を戦争体験から逃れることは出来なかったようだ。

Posted by ブクログ

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