商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2001/10/10 |
JAN | 9784167651145 |
- 書籍
- 文庫
古地図に魅せられた男
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古地図に魅せられた男
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1996年、ギルバート・ブランドという古地図屋の男が、ボルチモアにあるピーボディ図書館の稀覯本から切り取った地図を盗み、現行犯逮捕された。FBIが調査を開始すると、男はアメリカとカナダの図書館から250枚以上の古地図を盗んでいたことが発覚。自身も大の地図好きである著者はこの事件に...
1996年、ギルバート・ブランドという古地図屋の男が、ボルチモアにあるピーボディ図書館の稀覯本から切り取った地図を盗み、現行犯逮捕された。FBIが調査を開始すると、男はアメリカとカナダの図書館から250枚以上の古地図を盗んでいたことが発覚。自身も大の地図好きである著者はこの事件に興味を持ち、ブランドと古地図商の世界について調べ始める。実際に起きた事件を縦軸に、地図を通じて〈驚異と占有〉の歴史を紐解いていくノンフィクション。 著者のハーベイは元々ブランドの伝記を書くつもりだったが彼がインタビューに応じないため、仕方なく外堀を埋めて古地図泥棒の犯罪動機に迫ることにした。その足跡自体が一種のドキュメントになっている。ブランドの性格や起こした犯罪を地図と冒険の歴史に重ねていく手つきは時折強引だが、この語り口こそ単なる犯罪ものノンフィクションで終わらない本書の美点だ。 実際、読んでいて面白いのはブランド関係の箇所より、司書、古地図ディーラー、稀覯本修復士、古地図コレクターらにインタビューするうち、著者自身の認識が変化していくさまである。特に、ミスタ・アトラス(仮名)という大コレクターの家を訪ね、「コレクションを作ることは本を書くことといささか似ているのではないか」と感じて以来、ハーベイはブランドを掘り下げながら自分自身と向き合うことになる。 著者は口を閉ざしたブランドを白地図に喩え、己の好奇心とメディアの暴力性を前時代の探検家に重ね合わせていく。ブランドという白地図を埋めるためにびっしり書き込まれた歴史地図トリビアはとても楽しい。国同士の熾烈な地理情報の奪い合いや、西洋人が新大陸の征服を正当化するために生みだした「自明の運命」説、蒐集と狩猟の類似性などが語られるうち、いつしか〈知りたい〉という欲求の功罪についてぐるぐると思いがめぐり始める。最後にハーベイが向かうのはスペースシャトルの発射セレモニーだ。宇宙という未知の世界へ旅立つ人類を見送り、果てのない好奇心に思いを馳せる。ただ地図泥棒を断罪するのとは全く異なる余韻を残す幕引きが印象的だった。
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とある古地図泥棒を巡るノンフィクションに加えて歴史上での地図の周辺の話を混ぜてある一冊。 コレクターの心理分析と地図を巡るキナ臭い話が同列のものであると論じている。 この窃盗犯の過去を探っているのだが、読んでいて吐き気を覚えるほどの嫌悪感に襲われた。
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アメリカ史上最悪の実在した古地図泥棒について書かれたふりをした古地図を巡る様々なエピソードをめぐらせた本。図書室から丁寧に古地図を盗んで売りさばいていた古地図専門店主も魅力的ならパスファインダーなどの開拓時代初期の冒険者たちもまた魅力的で、犯罪にまつわる読み物とは思わせない。
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