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親鸞 悪の思想 集英社新書
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親鸞 悪の思想 集英社新書

伊藤益(著者)

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親鸞 悪の思想 集英社新書

814

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社/
発売年月日 2001/08/16
JAN 9784087201024

親鸞

¥814

商品レビュー

4

3件のお客様レビュー

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2015/06/04

親鸞の思想の入門書です。とくに、「悪」をめぐる思想が投げかける意義を、わかりやすく読み解いています。 著者は、梅原猛や山折哲雄、五木寛之といった、現代において親鸞の思想のもつ意義を追求している論者たちの議論を参照し、それらの議論の文脈を巧みに整理して見せることで、親鸞の「悪」の...

親鸞の思想の入門書です。とくに、「悪」をめぐる思想が投げかける意義を、わかりやすく読み解いています。 著者は、梅原猛や山折哲雄、五木寛之といった、現代において親鸞の思想のもつ意義を追求している論者たちの議論を参照し、それらの議論の文脈を巧みに整理して見せることで、親鸞の「悪」の思想が持つ意義を解き明かしていきます。著者は、『歎異抄』が説く「悪」とは、単なる不道徳を意味していたのではなく、人間がみずからの位置を占有しなければ生きられないという存在そのもののありようを意味していたと主張します。そのうえで、このような「悪」の自覚を見ることなく、広範な人びとの救済を説こうとする五木寛之の解釈を批判します。 また、親鸞の思想と唯円の『歎異抄』とのあいだに切断線を引こうとする梅原の解釈をも批判し、親鸞の二種廻向論のうちに、自分と同じく「悪」を自覚した人びとに対する弥陀の「悲憐」への共感を見ることができるという解釈を示しています。 親鸞の思想そのものに対する著者自身の解釈が明瞭に打ち出されており、おもしろく読むことができました。

Posted by ブクログ

2011/09/07
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※このレビューにはネタバレを含みます

新鸞の言う『善人』の本質が知りたくて手に取ったんですが、信仰姿勢としては結局はキリスト教と似たようなもので、若干の拍子抜けを感じました(著者自身、新鸞の思想とキリスト教の類似を本書で認めている)。 人間視点での信仰から神視点での信仰に引き上げるべく奮闘したみたいですが…僕としては、哲学的には神を否定したものの実用レベルで神の存在を認めたカント、または『神は死んだ』と言ったニーチェの考え方の方に共感します。 死んだ先の事を考えるほど働き者ではない僕ですが、やっぱり見えないもの、触れえざるものには、いるともいないとも言えるグレーゾーンを支持します。 どっちつかずで優柔不断かもですが、赤川次郎の小説にあった言葉『未だ確認されていないUFOやネッシー等は、いるかいないか分からないから神秘的で良いんじゃないですか(言葉が合っているかも定かではありません)』に強く惹かれますね~。ちなみにその本のタイトルは忘れました(笑)、三毛猫ホームズシリーズなのは確かです。脱線しますが『三毛猫ホームズの幽霊クラブ』は面白いですよ! さて、数年前にブレイクした『DEATH NOTE』。 主人公夜神月は堕落しきった社会に正義の鉄槌を下そうと試みますが、彼は極端な正義感の持ち主で、自分の行動しか正義を認めない…。 つまり本人にとっては自分こそが善人だと自負しているのですが、新鸞によれば、彼は仏に救われる対象ではないと言います。 自力で自らを(あるいは他者を)助けようとする人は、救いの対象ではない。自らの弱さ、他者の犠牲によって成立するという存在的悪を認めてた上で、弥陀にすがる人を救いの対象にしていたようです(=他力)。だからひたすら念仏を唱えるという思想に辿り着いたのでしょう。 善人について、以前テレビで言っていたもの(これもうろ覚えですが)、『核爆弾などの大量破壊兵器は、悪人よりも善人に持たせる方が危険である。善人には確固とした正義感があり、彼を降伏させるのは難しく、兵器を使う罪悪感が皆無である』。 爆笑問題のニッポンの教養という番組で言っていた言葉がフラッシュバックしてきて、改めてなるほどなぁ~と嘆息しました。 様々な問題に矛盾や齟齬を抱えながらも真摯に生を全うしようとする人間は、ともすると神よりも絶大な存在なのではないか、と感じる時があります。 人生にもがき足掻く人間とは不思議な生き物です(笑) 「善人なほもつて往生を遂ぐ。いはんや、悪人をや」 これを聞いた時、率直に『善人も悪人も救われる』と思いますが、実はそうではない。 この短い文章に隠された親鸞の妙味を、本書で詳しく解説してあり興味深いのですが、如何せん難しく書いてあり、気軽に読むような本ではありません。 先述したように眠くなるし(笑)。 僕の評価はAにします。

Posted by ブクログ

2010/05/09

[ 内容 ] 「善人なほもつて往生を遂ぐ。 いはんや、悪人をや」日本思想史において、もっも著明な言説ともいえる親鸞の言葉である。 でも、なぜ「善人」ではなく「悪人」なのか。 親鸞の弟子唯円によって記された『歎異抄』の中のこの一節を、筆者は、おのれの存在論的悪に目覚めた人間が「悪人...

[ 内容 ] 「善人なほもつて往生を遂ぐ。 いはんや、悪人をや」日本思想史において、もっも著明な言説ともいえる親鸞の言葉である。 でも、なぜ「善人」ではなく「悪人」なのか。 親鸞の弟子唯円によって記された『歎異抄』の中のこの一節を、筆者は、おのれの存在論的悪に目覚めた人間が「悪人」なのだ、ととらえる。 他者を排除し犠牲にすることによってしか生きられない自分が「いま」「ここ」に在ることの申し訳なさを自覚すること。 この澄み切った「悪の思想」こそ、八〇〇年の時空を超えて、現代によみがえる親鸞の思想の現代的意義なのだ。 [ 目次 ] 序章 悪への視角 第1章 思想史のなかの親鸞 第2章 悪人正機の説 第3章 「信」の構造 第4章 悲憐 結章 悪の比較論 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

Posted by ブクログ

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