商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青弓社 |
発売年月日 | 2001/08/20 |
JAN | 9784787231901 |
- 書籍
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ロックミュージックの社会学
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ロックミュージックの社会学
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商品レビュー
3.6
7件のお客様レビュー
2001年刊。 これも非常読み応えのある、れっきとした社会学によるポピュラー音楽解読の書物だった。 本書前半は、1960年代あたりからの英米を中心とした世界的な「ロック」音楽の波を、そこに付随した各種のディスクール、価値観、ファッションなどを含めて解読してゆく。社会の周縁に...
2001年刊。 これも非常読み応えのある、れっきとした社会学によるポピュラー音楽解読の書物だった。 本書前半は、1960年代あたりからの英米を中心とした世界的な「ロック」音楽の波を、そこに付随した各種のディスクール、価値観、ファッションなどを含めて解読してゆく。社会の周縁に棲む者らの反逆的姿勢としての「アウトサイド」指標、純粋に芸術的な価値を狙う「アート」指標、一方ではポピュラリティを獲得し栄えていこうという「エンターテイメント指標。この3種の指標でロック史の動向が探られてゆく。 たとえ当初反逆的な周縁人であったとしても、それが人気を博すると資本主義経済の巨大な力によって回収されていくというジレンマ。「ロックは死んだ」と宣告されても、それでもなお、「ロック」は生き続ける。 本書後半は日本の1960年代から1990年代にかけての「ロック」のあらわれと変遷を描く。やはり、英米におけるそれが意味したのと同様なものとしては、日本には「ロックは根付かなかった」感が強い。何しろ、極限状況における百姓一揆を例外として、日本人には「レジスタンス」の文化は存在しないのだ。「何となく従おう」「丸く収めておきましょう」という国民性だから、そこには英米的「ロック」は似合わなかったのだと思う。反逆的な姿勢は、日本ではむしろ、後年現れたストリート・キッズたちのヒップホップ文化の方に顕著になる。もっともこれはカルト的な領域のような気がする。 それでもなお、ロックに惹かれる人びとは一定数いるし、日々さまざまな活動が続けられている。この先、21世紀においてロックなどの音楽領域がどのように変容していくのか、さらに興味は続く。
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元々は卒論として書いたものを、書籍化したもの。 半分くらいはそれなりに面白いが、残りの半分がものすごくつまらないので、読むのがつらかった。 ロックが好きなのでその歴史を社科学的に考察したところは中々興味深いが、もう少し楽しませてほしかった。 この本は2001年の本だが、この...
元々は卒論として書いたものを、書籍化したもの。 半分くらいはそれなりに面白いが、残りの半分がものすごくつまらないので、読むのがつらかった。 ロックが好きなのでその歴史を社科学的に考察したところは中々興味深いが、もう少し楽しませてほしかった。 この本は2001年の本だが、この著者が2013年くらいに書いた「オルタナティブロックの社会学」はものすごく面白くなってたので、そちらの方がオススメです。きっと卒論なのできっと色々な縛りがあったのでしょう。
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音楽のロックを社会学から分析している本。本書ではブルデューの「場」の概念を用いて説明している。アウトサイド、アート、エンターテイメントの三つの要素の内、時代によってどの要素が大きな割合を占めていたのか、他の要素はそのときどのような要請をしていたのかを見ることで、その時代のロックの特徴を考察している。全体的な流れとしては、まずアウトサイド→アート→エンターテイメントときてロックの喪失が叫ばれた中で、パンクロックの登場→ワールドミュージック、ラップ、ヒップホップなどへの分化といったところ。ただ大ざっぱなまとめなので個々のアーティストまではあまり踏み込んでおらず、ミクロな視点は別に補う必要がある。 後半の日本におけるロックも社会情勢、時代背景を反映していて面白い。ロックとは何かという問いに普遍的な答えは出ないが、どういったものがロックと呼ばれてきたのかは知ることができて、これからのロックがどうなるのかを考察できる。
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