商品詳細
内容紹介 | 内容:古都. ハンガリ-水. ティファニ-で朝食を. ラ・マンチャの騎士. ヴェニスに死す |
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販売会社/発売会社 | 国書刊行会/ |
発売年月日 | 2000/06/20 |
JAN | 9784336041333 |
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古都
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古都
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商品レビュー
3
5件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
とにかく難解な本だった。表題作の「古都」については、いったい、いつ、誰が、どこで、何をしているのか、回想なのか現代の話なのかもよく理解できなかった。何度かしっかりと読み直す必要がある。 比較的に分かりやすかったのは「ハンガリー水」だった。大学時代の同級生に招待されたパーティーで、ある中年男の「A」と出会ったことをきっかけに、過去の記憶を思い出そうとする物語である。 「A」は、匂いを頼りに過去を思い出す男だった。語り手の「ぼく」は、彼と出会ってから、さまざまな匂いをきっかけに、自分でも忘れていた過去の出来事を思い出すようになる。しかし、彼の記憶は曖昧で、上手に思い出すことができない。 語り手は、友人と一人の浮浪者を殺してしまったのではないか、と思い当たるが、細かいことは思い出せない。幼い頃に自分が取り返しのつかないことをしてしまったのかもしれないという不安、そして、その記憶が少しずつ欠けたものであるという不安。語り手が繰り返す「有用な記憶だけを残すに越したことはない。さもないとあまりに危険すぎる」という言葉は、曖昧に残っているがゆえの記憶していることの不安に対する言葉なように思う。 また、死んだとき、自分の身元が確認されるのに備えて、自分の死に際の演出を考える「ラ・マンチャの騎士」も面白かった。
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うーん、わたしには合わなかったなー。表題作、羅列される固有名詞を楽しめる人はいいかも。固有名詞羅列系で、しかもそれらを知らなくてもめちゃくちゃ楽しめる作品ってなかなか難しいような気もする。それこそピンチョンとかは分からないままでもそのグルーヴに乗って読むのがひとつの楽しみ方な気も...
うーん、わたしには合わなかったなー。表題作、羅列される固有名詞を楽しめる人はいいかも。固有名詞羅列系で、しかもそれらを知らなくてもめちゃくちゃ楽しめる作品ってなかなか難しいような気もする。それこそピンチョンとかは分からないままでもそのグルーヴに乗って読むのがひとつの楽しみ方な気もするし… 記憶だからこそ余計に鮮明に現れてくるというコンセプト(?)はすごく良かったし描写も綺麗だとは思うんだけど。なんかピンと来なかった。
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非常に面白かった。ゆっくりゆっくり読んだ。時間が惜しくない読書だったと思う。 記憶と土地、記憶とモノ、そして記憶と「あなた」の話。 重層的に、時にゆらぎ、時に混ざり合い、そして時に混在する記憶たち。しかし、それらにもし、「なんの意味もないとしたら」――? 「だれ」と「どこ」が...
非常に面白かった。ゆっくりゆっくり読んだ。時間が惜しくない読書だったと思う。 記憶と土地、記憶とモノ、そして記憶と「あなた」の話。 重層的に、時にゆらぎ、時に混ざり合い、そして時に混在する記憶たち。しかし、それらにもし、「なんの意味もないとしたら」――? 「だれ」と「どこ」が不明確で、文章自体は非常に読みにくい、というより混乱する。しかし、読んでいて不思議と不快感やいらだちは覚えない。むしろ、時に驚くほど明確で、鮮明で、わかりやすく思えるくらいだ。 おそらく、その「わかりやすさ」は「言語」だとか「文法」だとかを通して訴えてくるものではないのだろう。規定の文法を通り越し、あるいはそれを離れてばらばらになってもなお、直接訴えてくる「何か」が読み手の胸に伝わってくるのだ。 それは「記憶」だろうか・・・郷愁? 懐かしさ? それとも、自分が記憶を持っているはずだという、記憶を残しているはずだという、「誰か」であり「どこか」そのものであろうか? 著者の「アイデンティティ」の書き方が非常に興味深い。 そもそも私がこの本を手に取ったのは、作家の恩田陸さんが「ひょっとしてこれは私が書いた小説なんじゃないかと本気で思ったほど共感。私が台北に生まれていたらこれを書いていたかも」と言われていたからなのだが、いやはや大げさではなく本当にその通りで、私も驚いてしまった。「もしかして、台北にもう一人恩田さんがいるんじゃないの?」と思ってしまったくらいだ。 恩田ワールドの「記憶」「ノスタルジー」と言った言葉が放つ匂いが好きなら、この本を読まれることも断然おすすめします。
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