商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞社/ |
発売年月日 | 2000/09/01 |
JAN | 9784022575067 |
- 書籍
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商品レビュー
5
1件のお客様レビュー
- ネタバレ
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落ち着いた大人の女性の頭の中を覗いている感覚になる。 描写が的確でそれでいて繊細なので、ゆっくりと庭で椅子に腰掛けながら、時間をかけて丁寧に読むのにピッタリなエッセイだった。 この本が落合恵子さんの一作目だったので他の作品の作風はわからないが、著者が55歳に出版されたこともあって周りの人々との別れが多くあり、全体的に少し切ない。 “死”について少し考える出来事があり、恥ずかしながら著者のことも存じ上げなかった中、図書館で偶然この本と出会えたのは何か理由があったのだろうか。 「いつかはきっと」 いつかやろうね、という無責任な約束が、友人の突然の訃報で果たされないまま終わること。ほんの2,3ページだが切なさが込み上げてくる。 「新しいバンダナ」 私も長年一緒にいた愛犬とお別れしたばかりだったので、Nさんの気持ちや茶々のお別れの描写が手に取るようにわかり、思わず泣いてしまった。 「しぼんだ風船」 「天気もいいし出かけない?」と自分から誘ったのに、すっかり忘れておしゃれした祖母に「どこか出かけるの?」と声をかけてしまい、その直後に思い出す著者。そしていつのまにか夕暮れになり、「いつでも行けるんだから今度でいいよ」と言う著者の祖母。 期待した気持ちが、そっか、、という失望にも近い気持ちに変わる様子を「しぼんだ風船」になぞらえていて、まさに…と思う。情景が目に浮かぶ。 おそらく誰しもが経験したことがあるのではないか。 自分が無意識に誘ったり言った言葉を嬉しく思い、期待して待ってくれる人がいる。 自分がしぼむことはあっても、しぼませないようにしたい。
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