星座で読み解く日本神話 あじあブックス23

勝俣隆(著者)

• 販売会社／発売会社: 大修館書店
• 発売年月日: 2000/06/10
• JAN: 9784469231649

商品レビュー

2024/12/07

天照大御神が天岩戸に隠れると世界が闇に包まれるという話など、日本神話は宇宙論的だと解釈はしていたが、この作者の考察は世界観をより広げてくれた。

天の御柱廻りによる国生み神話は、天地を結ぶ天の御柱(北極星)の周りを、伊邪那岐命(天)は左廻りに、伊邪那美命(地)は右廻りに廻り出会ったところで結婚をし国土を生み出す話だという説を展開している。

また、天はドーム状の壁になっており、天には海や陸の涯から昇るしかないという宇宙観の記述もあった。

星座と神を対象づけた表では神の性が西洋と逆になるところも興味深い。

2010/06/28

帯表
日本にも星の神話があった。
日本神話は天井画廊の物語である。
目次
序文　尾崎洋二
はじめに－古代日本にも星の神話が存在した
第一章　日本の神話とは何か－残存するのは切り貼り細工の一部の神話に過ぎない
第二章　星座とは何か・なぜ日本神話に星座があるのか－日本神話の成立に星辰神話が不可欠であった
第三章　なぜ星座で神話が読み解けるのか－古代と変わらぬ星空が天上に残っている
第四章　天津甕星と天香香背男－金星（明けの明星）の神格化
第五章　天の御柱廻りと国生み神話－天を支える柱である北極星と世界の中心に位置する聖なる大八島国
第六章　伊邪那岐命の禊祓と三貴子誕生まで－日月星辰誕生の天文神話
第七章　住吉三神の誕生と星を目当ての航海－オリオン座の三つ星は航海の神
第八章　太陽神の話－天照大御神とその子孫達
第九章　月の神月読命の神話－光輝・潮路（暦）・死と復活の神
第十章　古代日本人の宇宙観－ドーム状の天の層と天に開いた穴としての星
第十一章　天の八衢と天の岩屋戸－天地を結ぶ通路は星であった
第十二章　猿田毘古神の復元－猿田毘古神の目・鼻・口は畢星の色・形・光輝に対応する
第十三章　猿田彦神の星座図と外国神話の星座の比較－動物の星座は最も普遍的
第十四章　天孫降臨神話における天宇受売命－天宇受売はオリオン座
第十五章　天の岩屋戸神話等の天宇受売命像－天孫降臨神話と共通の姿態
第十六章　天井画廊としての日本神話－重要な舞台と神々が天空の星座で表される
おわりに－発想から実証・復元への道のり
索引

2007/08/29

これも図書館で延長に延長を重ねたうえ購入した良書。ギリシャ神話のように日本神話にも星座
があった！著者にファンレターを書きたくなるほど感激。