商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館/ |
発売年月日 | 2000/01/31 |
JAN | 9784093860451 |
- 書籍
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始祖鳥記
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始祖鳥記
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商品レビュー
4.2
12件のお客様レビュー
面白い! 先日、古書店で手に取ってパラパラと見た所、江戸後期に巨大な羽のような物を作って空を飛んだ「幸吉」という人物を主人公にした小説。遠い昔、学研の「科学」か「学習」のどちらかで見たような記憶が…。 読んでみると、実に良質な歴史小説だった。主人公は幸吉だが、彼の運命が流されて行...
面白い! 先日、古書店で手に取ってパラパラと見た所、江戸後期に巨大な羽のような物を作って空を飛んだ「幸吉」という人物を主人公にした小説。遠い昔、学研の「科学」か「学習」のどちらかで見たような記憶が…。 読んでみると、実に良質な歴史小説だった。主人公は幸吉だが、彼の運命が流されて行くように、何人もの人物のエピソードが、リレーのバトンのように連なっていく。最終的にそのバトンは幸吉へと戻っていくのだが、次から次へと現れる人物は、誰もが江戸後期という時代の風に翻弄され、吹き流される木の葉のようだ。幕藩体制は時代遅れの軋みが露わになっているし、沸騰する貨幣経済は全ての人を巨大な資本主義の渦に投げ込む。そんな中で「飛ぶ」という一点のみを最後まで突き詰めた幸吉の生き様が私達の胸を打つ。 人間の尊厳とは何処にあるのか。そんな事を考えさせてくれる、良質の歴史小説に久しぶりに会いました。手に取ってみて良かった。『あたり』を引きました!
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私の知能が著しく低いため、読了するのがひたすらに苦痛であった 未開の専門的知識をどうにかうまく飲み込むためにはどうすればいいんだろうナ
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今まで読んできた飯嶋和一の本の中で、一番スムーズに読み進めることができました。 それでも3日かかりましたが。 江戸時代、凧を使って空を飛んだ男がいたことは知っていました。 だから全編彼の話かと思ったら、やっぱり飯嶋和一、いつもながらストレートな話運びにはなりません。 “鳥人”幸吉が空を飛んで、そしてその後の顛末…までが第一部。 舞台は備前〈岡山県〉の児島。 第二部は行徳(千葉県)の塩問屋・巴屋伊兵衛、備前の船持船頭・福部屋源太郎などが、幕府に取り入って儲けを独占する御用商人に一矢報いるために、それぞれに己の心を奮い立たせながら仲間を増やしていく話。 “鳥人”幸吉はその場にいますが、前に出て来ることはありません。 そもそもなぜ幸吉は空を飛んだのか。 それは飛んでみたかったから。 ただ、それだけ。 しかし周囲はそう思わない。 空を飛び、「イツマデ、イツマデ」と鳴く鵺になぞらえる。 悪政に耐えるだけ、豪商たちだけが得をする世の中はイツマデ続くのか。 イツマデ堪え忍ばなければならないのか。 イツマデもこのままでいいのか。 幸吉はただ飛んでみたかっただけなのに、幸吉の行動に背中を押された人々が、少しずつ少しずつ、世の中を変えようと動き出す。 この第二部が一番長い。 第三部は再び幸吉が空を飛ぶ。 しかし読みながら蛇足では?と思っていた。 けれども、幸吉のつぶやく最後の一言を読んで、この一言のために幸吉は飛ばねばならなかったし、第三部が書かれねばならなかったのだと腑に落ちた。
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