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障害者が社会に出る その後の五人の人生 ちくまプリマーブックス136
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 2000/04/10 |
JAN | 9784480042361 |
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障害者が社会に出る
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まだ、「就学猶予」などという言葉で障害者が社会から隔離され、当たり前の権利さえ公然と奪われていた時代に幼少期を過ごした5人の障害者の、それぞれの半生を振り返り、「障害者として生きること」を語る本。5人それぞれが、壮絶な人生であり考えさせられるが、そのうちの1人である著者もまた、...
まだ、「就学猶予」などという言葉で障害者が社会から隔離され、当たり前の権利さえ公然と奪われていた時代に幼少期を過ごした5人の障害者の、それぞれの半生を振り返り、「障害者として生きること」を語る本。5人それぞれが、壮絶な人生であり考えさせられるが、そのうちの1人である著者もまた、まだPCもない時代に、ラブレターを書きたい一心で、鼻でタイプライターを打つ方法を編み出し、友人の介助なしに動けない体ながら、授業をエスケープする「不良障害者」となる、破天荒な少年時代が痛快だ。 それにしても、彼らにとって壁となって立ちはだかるのは、実は、国民の権利を守る奉仕者であるはずの官公庁の役人であったりするのが皮肉であり、日本の社会的未熟度を象徴しているようで悲しい。そして、彼らの師として、友人として、伴侶として支えてくれるのは、ごく普通の市民たちである。身近に障害者と接するなかで、障害者もまた一般の人となんら変わりがないことがわかるからであろう。「ハンデがあるのだから、健常者の迷惑にならないように大人しくしていろ」とばかりに勝手に一般人と区別しているのは、福祉の番人である行政職員なのだ。そこにいる人間が、自らの仕事の対象者か対象者でないか、選別する目だけが肥えてしまっているのだ。 バリアフリーという言葉は、だいぶ認知されたが、まだまだ学校教育でも就職先でも、身近に障がいのある人と接する機会のある人は少ない。行政が、幼い頃から障害者を隔離してしまうからだ。どこに行っても、いろんな人が当たり前に存在し、自然に助け合う、そういう環境で育ってきた者が増えなければ、心のバリアフリーは進まないだろう。 現状では、著者のような気骨のある障害者がどんどん出てきて、行政の作った壁を破って一般に交わるのを待たねばなるまい。
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