いつの日か還る

中村彰彦(著者)

• 販売会社／発売会社: 実業之日本社/
• 発売年月日: 2000/06/25
• JAN: 9784408533827

商品レビュー

2017/12/31

「諸士調役兼監察　島田　魁」
新選組の探索方に任を得た島田魁の武勲と言えば池田屋事件の発端となる古高俊太郎捕縛に貢献している。新選組マニアであっても図書館で延々と座りこまない限りは彼の足跡など知ることもないでしょう。

「いつの日か還る」

５８３ページ。長編の作品を長いと思うことはまるでなかった。戊辰戦争後３１年間生き抜き戦友の永倉に見送られるまでの彼の物語は長いものであった。読書は過去に興味を持ち始まるものだと思っていたが、ついに新選組という文字が教科書から消えそうですね。「滅びの美学」というか献身的であり一途な彼らは今の若者には必要な感があるのですけどね

朝稽古の量なども細かく記載されていますが、とてもじゃないが真似はできそうにない。当時の本物の武士と言うのは恐ろしいものですね。

2010/04/27

このお話、新撰組の島田魁が主人公です。すっげー分厚い。ハードカバーで、約600ページありました。文章は読みやすいですよね、中村氏。（初めて読んだけど）でもなあ！この島田魁すげえむかつくんですよ。近藤勇がなんかしゃべるシーンで、（※島田魁は近藤をよく思っていない設定）

近藤「なんとかかんとか～（ここは適当です）」
（それは違う。）と島田は思ったが言う事はできなかった。

みたいなことがよくある。これ引用ではないんですけど、こんな感じのことが。まあ結局近藤勇の意見に賛成できない、という感じですね。それがひしひしと…でも近藤さんには言えない。言えないのにうじうじ。…苛っ！あと土方さんとも特に話しているシーンはないんですが、急に「土方先生と仲良くしていることに反感をもたれているのだろうか」みたいな独白が出てくる。え？みたいな。急に仲いい設定か！新撰組に入った理由も、永倉新八にたまたま京都で出会って、というもの。それはいいんですが、新撰組の体制への批判と同時に、毎回、「俺はたまたま入っただけなのに」みたいなことを言いやがるんですよ。お前もその、忌み嫌う、新撰組の一員だよ！と説教したい。伊東申子太郎の分派とは別に、殺されるわけでなく離隊した人は意外といるんですけどねえ。なんか言い訳がましいんだよなあ。私が土方派だから、体制への批判にいらついちゃうのかな？斉藤の人物設定もちょっと苦手。あと山崎蒸と話すとかいう絡みがまったくないのが謎。役職柄、話すことはあったと思うんですけど。ほとんど同一の文章が何度も出てくるところも気になる。使いまわししていることを、読者が気づかないとでも思っているのか？
あと、島田魁といえば…会津で土方さんに近藤勇の死を伝えるっていう…一大イベントがあるじゃないですか！なのに…ない！信じられない…！（すみません、土方派なもので）（てかその報を伝えたのが島田かなんて決まってないですが）そんでしかも島田は北走していく新撰組を体験し、会津でも自分の命を尽くして戦うし、函館でも新撰組を率いて戦ったりしてすごくかっこいいところがたくさんあるのに…。つまり大政奉還後、宇都宮、会津と転戦していくときに特に活躍してる。ほんっと、それ目当てで読んでたのに…（要するに島田目線でのこの一連の戦争が読みたかった）
あ、でも、函館で旧幕府軍が降伏して後の人生を書いたところは素敵でしたよ。永倉さんもちょいちょい出てきて。時代の終わりと人生の終わりの書き方が素敵だった。

たぶん作家さんそれぞれに贔屓の人物がいると思うんですよね。
きっと近藤勇はあんまり好きじゃないんだろうな。土方さんは…あんまり出てきてないからわかんないけど。中村氏は 「新選組秘帖」のあとがきで「島田魁が一番好き」と語っていたけど、それにしてはなよなよとしている。人間くさいとかとは別に、なんか弱い。

島田魁が妻子もちとは実はこの小説を読んで、ほんとに？　と思って確認して初めて知りました。だからこそ函館まで私情を捨てて戦い尽くした強さがあると思う。だから…この島田魁は苦手。全体的に言い訳がましく、芯がない。

2009/09/05

ガニメデの優しい巨人（SFです）
182CM　169Kg　
心形刀流の免許皆伝　種田流槍術の免許皆伝
怪力無双　
槍で五斗俵（30Kg）を突いて後方へ投げ飛ばす
相撲取りを投げ飛ばす
牛を投げ転ばす
永倉新八が疲労と具足等のせいで塀を登れないとき
槍（銃とも）にすがらせ新八を片手で持ち上げる

知人の永倉新八に誘われて新撰組に加入したが
常に隊内の粛清や行き過ぎた尊皇攘夷に悩みながら
朴訥に務め上げた人物なんだなと改めて思いました
近藤勇・・・いやなやつ