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倦怠 河出文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 河出書房新社/ |
| 発売年月日 | 2000/09/04 |
| JAN | 9784309462011 |
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倦怠
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倦怠
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
昔、友人に勧められていた本を、別の人にも勧められたので機会はこれだと思い手に取りました。 ファムファタル物として、自分の行動に反映できることがあるかなと思ったけど(どんな読み方笑)、根本的なチェチリアの性格は私のそれとはだいぶ違うので、難しそう、、w 何事にも倦怠を感じ、事物との繋がりを持てない男が、18も年下の女の子に翻弄されるのは好きだった。それが嫉妬というトリガーであるのは、微妙だったけれど、、 「バレストリエーリにとって私が麻薬だったというのは、あの人には次第にいっそう私が必要になっていったからだと思うわ。あの人も言っていたわ。前には一服で十分だったのに、今では一服ぐらいでは足りないって」…「はじめのうちは週に一度か二度、それから一日おきぐらいに、それから毎日、それから後は日に二度ほど、おしまいのころにはもう数えもしなかったわ」(p.103-4) …いまでは私は肉体的な愛が自然に反する行為、つまり人為的な、馬鹿げた行為のように自然さに欠けていることにとりわけ驚くのであった。歩いたり、坐ったり、横になったり、上がったり、おりたり、肉体のあらゆる動作は各々その必要を有し、であるから自然さがあるのだが、それに反して交媾するということはこの上なく不自然な動作で、人間の肉体はそうするようにはつくられていないし、つとめて骨を折らないことにはうまくその動作ができないように私には思えるのだった。(p.130) いやこれ、それな笑! チェチリアはアトリエにいて、私に抱きついているときには存在しないように見えたが、いま彼女が目の前にいず、もう来ないとわかってみると、かえって切実に、おぼろにその存在を感じるのだった。(p.158) 嘘と裏切りによって彼女は私から遠ざかったので、かえって、そのために現実的に、望ましいものに見えるのだと私は考えた。こう考えると、いらだたしい復讐心に燃えた怒りにかられて、私は彼女の髪を力一杯ひっつかんだ。彼女のうめきが聞えた。馬乗りになっていた彼女を引きずりおろすと、私はおおいかぶさった。…いかに彼女を虐待し、締めつけ、噛みつき、そして彼女の中にはいり込もうとも、私はチェチリアを所有することができず、彼女はどこか別の場所にいるのであった。(p.184) あの俳優の腕から私の腕の中へと移り、おなじように自然なおもねりを見せて、彼に与えたものを私にも与え、そのおなじ腹の中で獣的な貪欲さでわれわれ二人の精液を混合することは、いかにも彼女らしいことなのであった。(p.268) 言いかえるなら、私のルチアーニに対する立場は何も知らない亭主に対する姦夫の立場にいささか似ていると私は考えていたのである。その場合、姦夫は決して女の亭主には嫉妬しないが、それは、ある場合には、知っていることは所有していることをあらわし、知らないでいることは所有していないことをあらわしているからである。それはくだらぬ慰めだった。(p.329) 私は自分のしようとしていることに気づく間もなく、はね起きると、チェチリアの首を両手で締めつけながら、思いつくかぎりの悪口雑言を彼女にはきかけた。人間というものは非常に感情の激した瞬間にはとてつもないことを考えたり、したりすると言われている。彼女の首を締めつけているそのときに、私はおそらくチェチリアを完全に所有するためには彼女を殺すよりほかに方法がないと考えていた。彼女を殺すことによって、彼女をとらえどころのないものにしているあらゆるものを彼女から剥ぎとり、彼女を死という終局的な牢獄の中に閉じこめることができるであろう。(p.375)
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この長編小説の、ほとんど全編に亘って主人公ディーノを支配するのが嫉妬と執着である。35歳になる彼はもはや絵を描くことも断念し、すべてに倦怠していたはずなのにである。相手の肉体を性的に所有することは、愛の獲得を意味するのか。彼は、そうではないことを知りつつ、そうした時間を共有するこ...
この長編小説の、ほとんど全編に亘って主人公ディーノを支配するのが嫉妬と執着である。35歳になる彼はもはや絵を描くことも断念し、すべてに倦怠していたはずなのにである。相手の肉体を性的に所有することは、愛の獲得を意味するのか。彼は、そうではないことを知りつつ、そうした時間を共有することでしかチェチリアを得ることができない。理性的な行動のすべてを奪う嫉妬は、終着点がないと意味において不毛である。性もまた不毛でしかない。ディーノにあっては、生そのものが不毛なのだ。最後に希望の予兆があるのがモラヴィアらしさか。
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モラヴィアのベストセラー。ブルジョワの退廃的な生活を描く作品は多いけど、これは資本主義への批判も強く含まれていてけっこうおもしろかった。
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