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日本滞在日記 1804-1805 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2000/08/17 |
JAN | 9784003347911 |
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日本滞在日記
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日本滞在日記
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商品レビュー
3.5
5件のお客様レビュー
1804年長崎到着し…
1804年長崎到着したロシア(皇帝アレクサンドル一世)の全権大使レザノフの日本滞在日記。幕府との通商交渉に失敗し日本を去るまで。まだまだ国際交流の少なかった時代、異国の文化は大変新鮮だったにちがいなく、レザノフの驚きや感動が伝わってくる。思わず笑ってしまう部分もあり、楽しく読めた...
1804年長崎到着したロシア(皇帝アレクサンドル一世)の全権大使レザノフの日本滞在日記。幕府との通商交渉に失敗し日本を去るまで。まだまだ国際交流の少なかった時代、異国の文化は大変新鮮だったにちがいなく、レザノフの驚きや感動が伝わってくる。思わず笑ってしまう部分もあり、楽しく読めた。
文庫OFF
150110 中央図書館 鎖国末期、国境の現場で調整に苦闘する人々の姿が見える。レザーノフは、帰途、シベリアで亡くなったと。
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日本滞在日記,レザーノフ著,大島幹雄訳,2000.8.17.第1刷,青479-1 1804年、ロシアから日本に通商を求めてやってきたレザーノフの滞在日記、とまことにタイトル通りの本である。 あの「おろしや国酔夢譚」の数年後のことであり、幕末、あるいは開国寸前のできごとのように錯覚してしまったけれど、実際には遠山の金さんの父親の時代のことなのだ。江戸時代というのは、長く変わらない時代であったように見えて、いつもうねり続けている時間であったのを感じてしまう。 レザーノフの交渉は、当然ながら頓挫し、彼は幕府と直接交渉することすらできぬまま、半年におよぶ幽閉同然の生活の末、失意のうちにロシアに帰国することになる。彼の手記には、通訳として関わった役人たちが、様々な官僚的手法で要求をはねのけつつ、江戸幕府の閉鎖性に自らも不満と憤りを抱いていることを明かしたり、こっそりと彼に便宜を計ったりしたと綴られている。中でも通訳のひとりは、レザーノフに、オランダ人と偽って出島にロシア人を送り込んで、徐々に内部から開国を迫っていくための腹案を伝えていた。様々な理由からこれは結局実現しなかったのだけれど、もし実現していたらどうなっていたのだろう、と楽しいifを想像することもできるだろう。 レザーノフと役人たちの交渉の流れに、いかにも日本的・官僚的な嫌味を感じ取ることも可能である。しかし、手記を信じる限りでは、レザーノフのやり方ではそもそも交渉が成功するのはあり得なかったろうと思う。彼はロシア皇帝の権威と信牌を根拠に、当然のことのように交易を求める。その態度は当時のヨーロッパ外交としては常識だったのかも知れないけれど、日本という特殊な背景の国家が抱えている内部事情や難しい立場に対する理解や知識が、驚くほどない。謀略的な側面のものさえ。外交というのはあまりにもあっけらかんな態度だ。 むしろこれを読んでいると、彼の対応に追われた役人たちの苦労を感じてしまう。昔から、日本というのはこういう、中間管理職の部分の人間に色々な苦労が集中し、逆に能力も集中してしまうのかなぁ、などと勝手な感想を抱いてしまった。
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