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ロード・ジム(下) 講談社文芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2000/10/12 |
JAN | 9784061982307 |
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ロード・ジム(下)
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ロード・ジム(下)
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商品レビュー
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映画もあるそうだが、海洋冒険譚として映像に変化がありおもしろいのだろう、しかしこころの深淵を探り出すのは小説にかなわないかもしれない。 時代は19世紀後半、ヨーロッパの国々がアジア進出にしのぎを削っていた時代に高級船員なったジム青年がたどった道(わたしは「ロード」をそういう風...
映画もあるそうだが、海洋冒険譚として映像に変化がありおもしろいのだろう、しかしこころの深淵を探り出すのは小説にかなわないかもしれない。 時代は19世紀後半、ヨーロッパの国々がアジア進出にしのぎを削っていた時代に高級船員なったジム青年がたどった道(わたしは「ロード」をそういう風に理解して読みはじめたのだが、「ロード」はジム「卿」とかジム「さま」との尊敬?の意味らしい 笑) だが、ジェームスがジムとなって白人社会から隠れて、アジアでさ迷うのがなんで尊敬に値するものか。 牧師の家に生まれた何人かの子供たちのうち、船員が一人いてもいいかもと家を出された少年は夢見がちだった。英雄的な行動を望み、しかし現実は臆病な自分を発見、なさけなさをかみしめた船員教育時代。 あろうことか、あるまいか三つ子の魂百までも、ひとり立ちになってで何度目かの航海することになった時、事件が起こってしまった。 そのおんぼろな船はアジアのある国から800人の信者(イスラム教らしい)を聖地まで乗せる船。船を動かす船長、船員にとって貧しい信者たちは「はこぶ荷物」と意識しているに過ぎない。 さて、定員過剰であろう老朽船が座礁してしまい、船に穴が開く。いざ! ふとっちょのドイツ人船長以下機関士、船員が真っ先に逃げたのである。 ジムはどうしたか? 英雄好みだもの800人のあわれな人たちと残る、はず、だった。 が、逃走のボートに乗っている自分を見つけた。 船は偶然助かったので800人は無事だった。けれども逃げた船長、船員たちは当然裁判で罪に、しかし服したのはジムひとり。そこだけ英雄的行動。 船員資格剥奪された後、マーロウという船長職の人に興味関心を持たれ、最後まで身の振り方、生活手段を助けられる。このマーロウが語り手。この人が同情しているんだか揶揄しているんだか。 臆病なのに英雄好み(とわたしは決め付ける)。過去の罪(乗船客を遺棄した)を振り捨てて生きたいのだ。バレそうになると白人社会から隠れて南洋アジアの現地人社会に逃げ込む。 スマトラ島らしい「パトサン」という架空の地での英雄的活躍が第二部。 この小説はなかなか凝った多重構造がわかりにくいが、人間の心の多重性を思うと合っているかな。また「逃げ出すということの苦しみ」がキーワードみたいになっているが、作家がポーランド人、ポーランドという国の不幸が(わたしでも知っている)ひととなり、思想に反映している。解説にはもっと難しいことが書いてある(笑) さて第二部で「ジムさま」は英雄となったか?悲恋もありで映像的には美しいのだけれども、あまりにもロマンチック過ぎる行動。 人間はそんなに「えらく」はないのに自分を飾るものなんだ。ああ、やっぱり自分もそうだなー。 読み易い口当たりのいい小説ばやりだが、こんな本ももっと読まれたほうがいい。英語で書かれた「20世紀の100冊選」に入っている。
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海難事故に際して、乗客を見捨てた船員ジム。罪の意識に苛まれたジムは、噂の及ばぬ土地を探して各地をさまよう。流れ流れてたどり着いたインドネシアの奥地で、とある部族の紛争解決に働いたことから、あれよという間に為政者の地位につくことに。しかし世界はせまく、未開の村落にも西欧社会の手が伸びる。彼の内面も、自身を追いつめる。 全編を覆う煩悶と懊悩。償えない罪、というテーマで読んでいくと、それはそれで考えさせられもし、胸を打たれる箇所もあるのは勿論だが、どうにも鼻につくのが西欧ご都合主義。アフリカの作家・エマニュエル・ドンガラが「闇の奥」に反発したことが記憶に甦る。本作でも、アジアは未開である。ジムの西欧的自意識の袋小路の最後に待ち受けるのは、アジア的私刑とも呼べる死。書かれた時代がそうだから、というのは勿論理解する。しかし違和感と古臭さを感じる率直な気持ちは隠せない。
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*上巻の感想のコピペです。 理想と現実のギャップに悩み、不名誉な過去を受け入れられずに破滅する若者の物語。名誉や廉恥心がなければ人はけだものだけれど、そのせいで生ずる苦しみを無視してもいいものか、というとても普遍的なテーマを掲げています。主人公のジムは高潔で有能な人物だけれど...
*上巻の感想のコピペです。 理想と現実のギャップに悩み、不名誉な過去を受け入れられずに破滅する若者の物語。名誉や廉恥心がなければ人はけだものだけれど、そのせいで生ずる苦しみを無視してもいいものか、というとても普遍的なテーマを掲げています。主人公のジムは高潔で有能な人物だけれど、関わる人を次々と不幸にする、一種の疫病神のようにも見える。結局のところ、ジムが正しかったのかどうか、はっきりしたことは何も言えない。そういう価値判断を無意味にする小説だったと思います。 授業で発表するために読んだのだけれど、普通におもしろい。コンラッドはやっぱりうまいですね。
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