商品詳細
内容紹介 | 内容:いまだ覚めず. どうにもこうにも. 春の虫. 夜の子供. 天下大風. 冬一日. ぽたん. 川. 冷たいのがすき. ばか. 運命の恋人. おめでとう |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2000/11/22 |
JAN | 9784104412013 |
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おめでとう
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3.8
16件のお客様レビュー
読んでいるといつの時代なのか分からなくなる。 どこにいるのか分からなくなる。 でも人は生きている。 そしてよく分からない生き物だなあとただ漠然と思うのです。
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さまざまな味わいの物語を集めた短編集。 長さもテーマもまちまちで、この作家の持つ多面的特質を良くあらわしたものとなっている。 終末の世界を想像させる表題作以外は、おおむね恋の物語だが、そのかたちや切り口もバラエティに富んでいる。 過度にウェットにもドライにもならず、少しせつなく...
さまざまな味わいの物語を集めた短編集。 長さもテーマもまちまちで、この作家の持つ多面的特質を良くあらわしたものとなっている。 終末の世界を想像させる表題作以外は、おおむね恋の物語だが、そのかたちや切り口もバラエティに富んでいる。 過度にウェットにもドライにもならず、少しせつなくて、でもさらりとした女性の恋愛感情が良く描かれていて好もしい。
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帯に「ぽっかりあかるく深々せつない12の恋の物語」と書いてある。 とりあえず、いつもより人間度の高い作品が多い。 それでも、モモイさん(幽霊)に取りつかれて、困ってるんだかそうでないんだか自分でも定かではない私とか、木の上に棲みつき水かきができ、毛深くなって歯がとがって耳が立っ...
帯に「ぽっかりあかるく深々せつない12の恋の物語」と書いてある。 とりあえず、いつもより人間度の高い作品が多い。 それでも、モモイさん(幽霊)に取りつかれて、困ってるんだかそうでないんだか自分でも定かではない私とか、木の上に棲みつき水かきができ、毛深くなって歯がとがって耳が立ってきた元恋人と、子どもの子どもの子どもの…千人ばかり子孫ができたころによりを戻して、子どもをつくる私とか、やっぱりちょっと人間度の低い人がいるのが川上作品らしい。 恋愛小説は割と苦手だけど、めっきり体温の低そうな人たちの作り出す恋愛模様はなかなかに愉快。 普通ここで修羅場でしょう、というところが非常に淡白で、あとから修羅場のタイミングを逃したことに気づくような人って、割と好きなのだ。 5年前に振られた彼と再会して、ずっと好きでいつづけてた気がしていたのに実はもう見つめ合う気力が失せていたことに気づき、それでもどうしていいのかわからないまま試合終了後の野球場のベンチに元彼と並んで座っている。そんな「夜の子供」がすとんと心に落ちた。 “私たちは、ゆうべのちらし寿司を朝の光の中で眺めているような気分で、互いの名を呼びあった。よく味はしみているけれど、ご飯一粒々々のつやはすでに失われている、ゆうべのちらし寿司。” とりとめのない一日を過ごす二人。 それは決して日常ではない。 とりとめのない会話。それを大切にいつくしむように味わう二人。 だからこそ最後の「あのさ、俺さ、百五十年生きることにした」がしみてくる。 「そのくらい生きてればさ、あなたといつも一緒にいられる機会もくるだろうしさ」 息を吐いても、もう白くはならなかった。「冬一日」 うまいな~。
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