商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新曜社/ |
発売年月日 | 1998/10/15 |
JAN | 9784788506527 |
- 書籍
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本が死ぬところ暴力が生まれる
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本が死ぬところ暴力が生まれる
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アメリカにおける、増え続ける非識字の問題を解いた本。 非識字者としてあげられているのが、ギャングなどなので、少し極端かもしれないが、日本の子どもたちにも当てはまることも多くある。 タイトルにもなっているが、本が死ぬと、なぜ暴力が生まれるのか。 本を捨ててしまった彼らは、読み書き...
アメリカにおける、増え続ける非識字の問題を解いた本。 非識字者としてあげられているのが、ギャングなどなので、少し極端かもしれないが、日本の子どもたちにも当てはまることも多くある。 タイトルにもなっているが、本が死ぬと、なぜ暴力が生まれるのか。 本を捨ててしまった彼らは、読み書きの効力を信じていない。苦労して勉強することを諦めている。たとえば、彼らが必要とするのは、履歴書を書く能力だけ。だから、仕事も最低賃金の仕事しかない。そのため、犯罪に手を染めるようになる。
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母から赤子への授乳に最重要の役割を与えていることは、慎重な扱いを必要とするだろうが、前半の口承文化と識字文化を深く掘り下げた点は高く評価できる。 著者は男性。 第4章、電子メディア、第5章、銃とギャング、第6章、母性(授乳)、第7章、家族と識字は出版から20年以上たった今、浅...
母から赤子への授乳に最重要の役割を与えていることは、慎重な扱いを必要とするだろうが、前半の口承文化と識字文化を深く掘り下げた点は高く評価できる。 著者は男性。 第4章、電子メディア、第5章、銃とギャング、第6章、母性(授乳)、第7章、家族と識字は出版から20年以上たった今、浅薄さを感じる。物事を単純化しすぎだ。しかし、アメリカに限らず、先進国に限らず、似たような光景はどこでもみられることに時代の悪弊の一面は捉えているのだろう。 識字は権力の源であることも触れられている。しかし、批判思考の源でもある。その両義性を意識しつつ、どう生きていくのか。本書の半分を占める人間性崩壊からの復興は蛇足だ。文字文化の両義性が必須の教養であることを説いた部分こそ重要だと思う。 ・語りが人生のモデル。 ・古代ギリシア人は教育を現代英語のミュージックと呼んでいた。というのは、彼らは数学や詩や修辞学を、踊ったり手をたたいたりしながら声に出して歌い、練習したからである。 ・自己も意識も、一人の人間のなかに分割を強要し、ともに識字世界でだけ出てくる。 ・読むことの本質がことばを声に出すことから黙読することに変わったとき、人は文字を読むと同時にその意味を考えることができるようになった。 ・テレビは、子どもがダウンタイムに入ることを妨げる。ダウンタイムとは、なにもすることがにない放課後に直面し、自分たちでゲームや遊びを考え出すときである。 ・退屈というのは、テレビのイメージとは全く逆に、何も起こっていないように見えながら、その背後に子どもが非常に重要なあるものを発見する可能性を横たえている。あるものとは、彼ら、彼女ら自身である。 ・子どもは言い間違いを大人に直されるよりも、そのまま会話をしていた方が得るところが大きい。:ハーバード大の研究 ・どの文化でも、識字が増加すると、「数」の基礎知識もまた向上する。文字と数字のどちらも、具体的現実から想念や概念を抽象することを要求する。 ・言語経験は、正しさ、そして優秀さの基準を生み出した。そして、その基準は、人生のすべての側面に適用された。 ・皮肉なことに、そもそも最初にその分離を生み出したまさにそのものである言語を通して、記述し分析し、範疇化し、定義することによってのみ、人は現実を再度とらえなおすことができる。 ・世界をコントロールするのは、識字能力をもつ意識である。 ・物語の起源は、遊びと冗談のなかに深く埋め込まれているのである。この事実を、大半の教師が忘れてしまっているように見受けられる。 ・書き手はみな、まじめな語り部とジョークをいう者との役を同時に演じる。 ・戯れのことばは、すべての人の口をついて出たのではない。それはほとんどが、女性の言葉だったのである。 ・ゴシップは、明確に表現された権力の声、すなわち男性に対する、遊び的ではあるが影響力のある政治的抵抗の行為である。 ・冗談は、土地ことばにおいてはじめて完成される。 ・マンフォード:神父はソーシャルワーカーの前身。貧乏な人はケースワーカーの介入なしには福祉の援助を受けられない。中世の人々は、制度化した教会の個人的奉仕なしには、救済を達成することはできない。 ・P166~:空白の発明=単語の創造、パラグラフ、引用、目次、インデックス ・ファミコンのルールは、いかなる全体主義にも匹敵するほど、完全かつ執拗に支配力を振るう。 ・「石でさえも、目に見えないものに満ちている」 ・子どもには、自分が本当に望んでいることに直面できるようになるための孤独が必要である。青年期にもまた重大な決定ーー職業に関わる関心、人間関係、性的問題、その他の大人の問題ーーをするために、孤独を必要としている。しかし、ギャングの孤独は、実際に社会的孤立であって、読み書きする共同体からの分離である。 ・識字が最も強力に可能にし構築するのは、人と人との間の結びつきであり、人生同士の結びつきである。 ・奇妙な逆説的歴史。識字と教育に対する注意が高まると、読解の成績がより低くなり、学校からドロップアウトする子どもの数が増加するのである。 ・識字への障害は、銃を持ち歩き、麻薬を打つドロップアウトした若者たちにあるのではなく、経済的不平等と人種間の疑惑と憎しみの発生源となってきた、消費文化にある。
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再読。 表題の「本が死ぬところ暴力が〜」は、 第5章「識字の衰退と跋扈する暴力」という章の内容から取られている。 銃弾をなんの良心の呵責も無く人にあびせかける子供たちにおいて、 非識字という、いわゆる文字の読み書き能力の欠如のみならず、 識字以前の状態であるところの口承文化の世...
再読。 表題の「本が死ぬところ暴力が〜」は、 第5章「識字の衰退と跋扈する暴力」という章の内容から取られている。 銃弾をなんの良心の呵責も無く人にあびせかける子供たちにおいて、 非識字という、いわゆる文字の読み書き能力の欠如のみならず、 識字以前の状態であるところの口承文化の世界すら持っていない、 二重に言語を失っている状態であるといい、 言語を奪われているがために、言語の代わりに銃を持つのだと著者は言っている。 ところが、識字能力をつけようとして、 学校などで一斉に文字を教えることは、 逆に非識字を生み出す土壌になるのだ、 というところがこの本の面白いところ。 「識字への道は、識字を通っていないのである。識字に早くから浸ることは、事実、識字への道を遮るだけなのである。教師や親が子どもの読み書き能力を案じるのならそれだけ、識字教育を増やそうという圧力を強めたいという自然な欲求から、退かなければならない」(p.305-306) では、どうすればよいか。 1、口承世界にもっとひたらせること(歌、踊り、遊び、冗談、即興と朗誦) 2、自ら表現する時間を十分にもつこと(自分で物語をつくったり、読んでもらった物語を自分の言葉で語り直したり) 小学校といわず大学まで、たくみな口承によって絶えず教える必要があるのだという。 『発達心理学ーことばの獲得と教育』(内田伸子/岩波書店)では、 就学前に口承で多くの詩や言葉遊び、歌を知っていることは、 子どもの国語の成績にプラスの働きがあり、 一方、就学時前に文字を修得することは、 国語の成績にほとんど影響を与えないとうデータが出ているという。 大変興味深い。 この本の唯一の問題は、だから母親は子どもが生まれたら、 すべからく家庭に入って子どもの相手をしろ、といっているところ。 母親からの口承にかなうものはない、と決めつけている。 様々な形の口承文化の継承を無視しているな(笑)
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