商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 阿吽社/ |
発売年月日 | 1998/09/30 |
JAN | 9784900590588 |
- 書籍
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「部落民」とは何か
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「部落民」とは何か
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完全に興味本位から入って部落差別についての事例を中心に調べてきた私ですが、専門家がかくも深く鋭く部落差別について切り込んでいく瞬間に立ち会ってしまうと、彼らを前にして発言するなど到底不可能だと思わされる。 「部落という集団への帰属意識が、ひと括りの人間認識として、時には一人ひと...
完全に興味本位から入って部落差別についての事例を中心に調べてきた私ですが、専門家がかくも深く鋭く部落差別について切り込んでいく瞬間に立ち会ってしまうと、彼らを前にして発言するなど到底不可能だと思わされる。 「部落という集団への帰属意識が、ひと括りの人間認識として、時には一人ひとりの自己認識を阻害してしまっている。アイデンティティは個人の営為としてしか有り得ない。どんな強固な帰属意識があろうとそれを最終的に選択しているのは自分自身なのであって、属性を抜きにした個人の営みを大切にすべきだ」という頭ちぎれるほど頷きそうな提起に対して、矢のような反論や意見が飛び交う。そしてそのどれもに正当な説得力がある。こんな深いところまで専門家は考えてんだなぁと、ある種の感銘を受けた。 あと「自分は部落出身だ」と信頼する友人にカミングアウトしたところ「あ、そう。そんなん関係ないよ」と言われた。その一言だけで終わってしまった。信頼する友人ですら、部落問題を分かってもらうのは難しい。それが運動に関わるきっかけになった……という事例に対して 「こいつアホと違うか。何考えてんねん。納得しないのなら聞き返せ。そういうこともしないまま勝手に自分で相手の意図を決めつけて何十年も運動やってる。その意識がまずい。学び合うという観点が何より大切」とバッサリ切れる人なんています?感動したわ。 あと部落の集団性、共同性についての話。「お前らは差別者だ」という集団倫理をことあるごとに持ち出し、部落の内部でもそのルールを適用して権力化する訳ですが、元々同じ部落出身なのに「おまえは大学に行きよる。俺は中学を出て働いて荒れとる。その責任はお前たちにある。これは差別ということたい」という理屈で平気で殴りかかってくる。そこには共同の倫理を背負ってる相手がいる訳で、個人的な恨みがなくとも平気で権力を盾に力を行使してくる。その場合に必要なのは、関係や属性を全く持たない自分として勝負できる立場の獲得である…とか 解放同盟とか同和のプロってのはあらゆる力を行使して、利権やカネやモノをシマに引き込む陰の権力者みたいなイメージだった。実際そういう人もいるんだろうが、部落問題の解決(少なくとも個人レベルでは)のために解放運動に力を注ぐ専門家がいるってのにびっくりした。 難しいテーマだけど、これを本気で読み解いていくと、あらゆる弱者ビジネスの構造把握に使うことができそうとも感じる。難しい内容も多いんですが、レベルアップしてから読み直すといいかなと感じました。
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